日記・コラム・つぶやき

クリスマスカード

 インターネットを見ていて気づいたのだが,サンタクロースは英語を話すと決めてかかっている大人が日本にはたくさんいるようだ。私は長野県の田舎生まれなので,クリスマスとはほとんど縁がない生活を送って育ち,クリスマスというものがどういうものかがある程度わかったのは,留学でフィンランドに住んだ時である。そのとき以来,サンタクロースはフィンランドに住んでいると信じてきたので,「サンタクロース=英語」という図式に馴染めないでいる。

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ハウスカ - hauska

 東武東上線を毎日利用してますが,沿線のふじみ野というところに「ハウスカ王国」という高層住宅ができるようです。Google で検索してみたら,不動産のほかに,ヨーロッパ小物を売る店「ハウスカ」もあるようですね。

 hauska はフィンランド語です。この形容詞の意味は,確かに,日本語で言う「ハッピー」に近い気もしますが,英語本来の happy とはニュアンスが違う感じがします。むしろ nice とか pleasant のほうが近いんじゃないでしょうか。

 早い話が, I am happy. のつもりで Minä olen hauska. とは言いません。「楽しい気持にさせてくれる」というような意味で,その当人が「幸せ」という意味では使えないわけです。ちなみに辞書を引いてみると,同意語として,rattoisa, huvittava, mukava, miellyttävä, kiva などが出てます。用例としては

 hauska juttu 愉快な話
 hauskat juhlat 楽しいパーティー
 Hauskaa joulua! 楽しいクリスマスを!
 Hauska tutustua! お会いできてうれしい。
 hauska seuramies 一緒にいると素敵な男性

などなどが出てます。参考までに最後から2番目の表現は,英語の (I am) glad to see you. に一見似てますが,フィンランド語は On hasuka ... つまり英語風にいうと It is nice to...の省略なので,Nice to meet you. にあたります。

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英語のオンライン・データベースは役に立たないことがある

 私は英米で出る学術書の注文のほとんどをある書店にまかせているが,その書店からメールで,わが大学の中央図書館が,期間限定で,新聞・雑誌データベースや電子ブックのトライアル検索のサービスをしていると知らせてきた。さっそく試してみた。

 あまり,というか,ほとんど読まれていないこのブログで,ひとり気炎を上げたところでむなしさが募るだけなのだが,予想以上に役に立ちそうにないデータベース類を目の当たりにして,はっきりと言ってがっかりした。

 公平のために予め断っておけば,英語という言語を媒介にして入手できる情報は,量の点でも,多様性の点でも,レベルの高さの点でも,他のどんな言語にもまねの出来ないものであることについて,私がつゆほども疑っているわけではない。私自身,英語の学術文献なしには研究が成り立たない。これは本当である。

 しかし,英語が万能ではないことをここまではっきりと示してくれるケースはめったにない。新聞の紙面そのままの電子版が読めると歌っている新聞・雑誌のデータベースの場合,エストニアの新聞は一紙も参加していないし,フィンランドの新聞も比較的マイナーな地方紙が読めるだけである。このデータベースを使えば,フィンランドやエストニアの新聞の紙面が無料で(=直接自分のふところを痛めないで)いつでも読めるなどというばら色の世界を一瞬でも思い描いた私は,根本的かつ救いようのないバカだったわけだ。

 早い話が,このデータベースの利用契約を大学の中央図書館が高いお金を払って結ぼうが結ぶまいが,フィンランドの Helsingin Sanomat 紙の印刷板の記事が必要なときは,その都度,記事一ついくらというふうにクレジットカードで支払って読むというこれまでの習慣を変える必要がまったくないことが判明しただけだ。エストニアの場合も,これまで通りオンライン版の Postimees 紙の無料記事を読むだけのことである。

 これは,書籍の場合と原理的に似ているところがある。英語圏以外の情報をほとんど持たない洋書取扱店に頼むよりは,自分でフィンランドやエストニアの書店とオンラインで直接取引する方法のほうがが,はるかに効率がいいし,また確実である。ここまではっきりと認識すると,かえってすがすがしい。

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気になったブログ

 複数の人が書いているブログサイトのようですが,そのなかにフィンランド在住の日本人芸術家 (?) が書いていると思われるページがあります。フィンランド以外で撮った写真もあって紛らわしいですが,なかなかいい写真と気の利いたコメントが掲載されています。この書き手のブログページは独立していて,次の URL から読むことができます。

 picasonic: http://www.picasonic.com/journal5/

 IDENTITY とあるところをクリックすると,

ピカソニックは、「ライフスタイルはどうあるべきなのか?」
という問いから生まれたクリエイティブ・シンクタンクです。

とありますが,どういう集団なのかいまひとつはっきりせず,ミステリアスであるのも気に入りました。

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ミムラ

 金曜日の午後9時,東京のテレビ朝日(10チャンネル)では「コールセンターの恋人」というドラマを放送しています。このドラマに出ている超個性派女優ミムラですが,ウィキペディアによると,彼女の芸名は「モデル時代に『ムーミン』のキャラクター『ミムラ姉さん』からつけられた」のだそうですね。「ミムラ」は,以前から気になっていたのですが,今日その名前の謎が解けました。
 ミムラの女属する所属のスターダスト・プロモーションの女優に,中谷美紀がいますが,このふたりどこか感じが似ていると思っているのは私だけかな。ウィキペディアによると,中谷美紀と姉妹ではないかと疑われているのは,同じく
スターダスト・プロモーション所属の柴咲コウだと言われているようですが,私はこのふたりはあまり似てないと思います。
 フィンランドとはほとんど無関係のネタになりました。

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フィンランド語を勉強する日本人は運がいい

 フィンランド語を勉強し始めて,最初に感動するのは,冠詞という面倒くさいものがないこと,男性名詞や女性名詞といった区別を気にする必要がないことではないでしょうか。当然,フィンランド語では,三人称の代名詞を使うときに,男性女性の区別に悩む必要はない。

 
「ニューヨークタイムズ」紙の国際版,International Heral Tribune (IHT) は,日本では,提携している朝日新聞の英語版と一緒に印刷されています。IHT の日本発行版の今日(2009/07/27)の号に面白いコラムが載っていました。

 英語では,he/his/him でも she/her でもない,性に中立的な3人称単数の人称代名詞の必要性を誰もが感じているのだけれど,それがなくてみんな困っているという話です。

 たとえば Everybody comes in [   ] own car. (皆自分の車で来る) という文の[  ]で使う人称代名詞の所有格は,伝統的な文法では,his が正しいとされています。しかし,フェミニストたちを中心に,女性も含まれるのになぜ his なんだ,という意見が出ていて,いろいろな試みがなされているものの,皆から支持される解決法がまだ見つかっていないという程度の話は,みなさんもたいていご存じのはず。

 ところで,そのひとつとして比較的支持のある,単数の every... を複数代名詞の they/their/them で受ける用法は,実は何百年も前からすでにあって,歴史的に著名な文筆家がそれを使ってきたそうです。ところが,18世紀の後半に,フェミニストの女性文法学者が書いた英語の文法書で,間違った用法という烙印が押され,以来学校でそう教えられてきたのだそうです。

 かなり以前に英語で書いた論文で,例文に出てくる性の区別のない3人称の人称代名詞をすべて she/her で訳したところ,ドイツ人の研究者(男)が,面白いと言ってあるところで話題にしてくれたことがありました。名詞に性の区別のあるドイツ語では,3人称単数の人称代名詞の性の悩みはもっと深刻らしい。

 欧米のフェミニストたちのこういった悩みの深刻さはわからないでもないけれど,フィンランド語の世界に入ってしまうと,どこか遠い世界の他人事に感じられます。もちろん,日本語もこの点に関する限り,フィンランド語の仲間です。フィンランド語を勉強する日本人は運がいい。

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フィンランド(語)がテーマのブログはじめます

 10年以上も続けてきたフィンランドやフィンランド語をテーマにしたホームページを移転したのを機会にブログを始めることにしました。

 学生時代にフィンランド語の研究を専門に選んだ私が初めてフィンランドに留学した1970年代の終わりころは,今とは違って,メールもSkypeがなかったので,フィンランドは地の果てのような遠い国でした。国際電話は学生には高すぎて掛けられないので,通信手段というともっぱら郵便。返事が来るまで2週間以上,島流しとはいかないまでも,平安時代に京の都から遠く離れ,東の国に赴任した貴族の心境と通じるところがあったかもしれません。浅野内匠頭切腹の知らせでさえ,3日後には赤穂のお城に届いたそうですから。

 まあ,そんな時代から付き合ってきた人間なので,多少時代遅れ的なフィンランド観(?)を持ちつづけている可能性があります。その意味で,私がフィンランド語やフィンランド文化についてあれこれおしゃべりするのを聞くことは,若い世代の皆さんにとっても,多少は役に立つかも知れません。そういった存在意義を期待して,このブログを始めたいと思います。

 そうそう,Tonttu-ukkoは「年寄りのトント」「トントの長老」という意味です。一番有名なトントの長老は,トゥルクのお城の主ですが,数百歳になっていると信じられています。

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