最新ソフィ・オクサネン情報
ソフィ・オクサネンのファンのこの夏の関心は,完成が報じられている小説 Puhdistus 粛清 の映画の公開と,彼女の新作である。
この1週間ほどの間に,ヘルシンキとタリンで新聞等から情報を拾ってみたが,大々的な宣伝が行なわれていないので,あまり詳しいことはわからない。しかし,大掛かりな前宣伝で評判になったハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」が駄作でがっかりさせられたような経験をまた味わうよりは,情報が少なくて謎めいていたほうが面白くていい。
まず,Anti Jokinen 監督の映画のほうだが,フィンランドの映画館で見た予告編によると,フィンランドでの公開は,9月上旬らしい。9月上旬の金曜日だから,9月7日ということになる。これに先立つ8月30日には,エストニアのタリンで,世界で最初の上映が行なわれると,タリンのホテルのロビーにおいてあったフィンランド語の旅行情報紙が書いている。26日の便で帰国する私は,どちらの恩恵にもあずかれない。
件の旅行情報紙によれば,オクサネンは,この映画についての質問に次のように答えたそうである。
とてもいい映画です。俳優たちの演技が本当に素晴らしい。映像的にも美しい作品です。その意味で,Antti Jokinen を監督に選んだのは正解でした。音楽もいい。バイオリンを弾いている Viktoria Mullova が素晴らしい。ロケ地も適切に選ばれています。
私が唯一言ったことは,歴史的な真正さを尊重してほしい,ということでした。つまり,撮影はエストニアの実際の場所で行ってくださいということでした。
撮影は一部のベルリン・ロケを除き,すべてエストニア国内で行なわれたと言われている。映画関連の仕事をしている知り合いから聞いた話では,ウラジオストクのシーンをロシアの極東でロケするという話が最初はあったらしいが,それは断念したという。
もうひとつの話題は,オクサネンの新作だが,映画「粛清」のタリン公開と同じ日にタリンで,エストニアのイルベス大統領,フィンランドとエストニアの両国の文化大臣を招待した出版記念イベントが,1800人収容できるコンサートホールで開かれるらしい。
新作のタイトルは Kun kyyhkyset katosivat 鳩たちがいなくなったとき,1940年代と1960年代のタリンが舞台で,KGB 諜報部員 Parts を主人公とする小説で,主人公が男である点でも,KGBの人間である点でも,「粛清」とはかなり趣が違うようだ。登場人物の名前は,Parts (主人公), Juudit, Roland, Evelin など。最初の外国語訳はエストニア誤訳で,11月に出版予定。
ちなみに,前作 Puhdistus 粛清 の売上部数は,フランスで40万部,フィンランドで23万部だそうである。日本ではあまり話題になっていないようだが,日本語訳が出てからそろそろ半年,いったい何部くらい売れたのだろうか。また,「粛清」のは舞台上演は,これまでに12か国で行なわれている。
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