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フィンランドの学校もたいへんらしい

 フィンランドの学校については,いいことばかりが書かれるのが日本の出版界では定番になっているが,成田から乗ったフィンランド航空の機内で読んだ大衆紙 Iltasanomat (2012/08/04-05) によると,フィンランドの教育現場も決していいことづくめばかりではないようである。

調査は2日間にわたってインターネットで行なわれ,答えをメールで寄せた小中学校の学級担任または教科担当の先生は40人。統計的な有効性はなく,一般化はできないが,フィンランドの学校が決して,教育の理想郷でないのは確かのようで,回答者の7割が,協調性がなくすぐ喧嘩をする,ものを壊す,他の生徒に嫌がらせをする,などの問題のある子どもが最近増加していると指摘し,現状では,学校や教師には,こういった問題行動をする子どもに対して断固とした措置をとるための十分な権限が与えられていない,とする意見を表明したという。

問題を起こした生徒に対して,教師は教室からの退場を命じることができ,さらに,応じない生徒は強制的に外に連れ出すことができる。また,放課後,一定時間の居残りを命じることも一般に行なわれている。また器物破損の場合,法律上は原状回復を命じることができるが,現実にはきちんと適用されていないことが多いという。重い措置は,3ヶ月以内の停学だが,フィンランドの学校では,停学中の生徒には,問題なく授業に復帰できるように,補習の機会を保証しなければならないそうである。

ごく少数ではあるが,いわゆる「モンスター・ペアレント」タイプの親たちが,フィンランドにもいるようだ。特定の先生を名指しで批判するメールを別の先生に大量に送りつける親,いじめの苦情を学校ではなく,直接警察に出してしまう親,うちの子は優秀だから,この成績は間違っていると電話してくる親,学校の始業時間,下校時間を,わが家の生活習慣に合うように変更してくれと申し入れる親,うちの子は今歯医者に行くので,送ってもらえないかと先生に用をいいつける親もいるという。

学校教育の成果は学業成績だけに現れるわけではない。学校における銃乱射事件は,そう滅多に起こるものではないから別個に考えるにしても,こういった話を聞く限りでは,学業成績の国際比較だけに目を奪われて,フィンランドの学校教育の現場をあまり理想化しすぎるのも考えものかもしれない。

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