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作家 James Thompson

 アメリカ人でフィンランドのラップランドに住んで英語で小説を書いている作家がいる。

 アメリカの新聞 The New York Times に出たはずのフィンランドのラップランドに関する記事を検索していて,たまたま同新聞の読書欄の記事がヒットしたのが,James Thompson という作家の代表作 Snow Angels をアメリカのAmazonから電子書籍で買って読み始めたきっかけである。お目当ての記事はついに見つからなかったけれど悔いはない。

 北欧ミステリーが今英語圏で大人気だが,アメリカ人で英語で書いているこの作家も,そのひとりに加えていいのではないだろうか。

 私はこの作家の小説 Snow Angels をまだ30ページほど読んだだけだが,すっかり気にいってしまった。この作品は,アメリカ人女性 Kate を妻に持つフィンランド人の刑事 Kari Vaara が活躍する謎解き小説である。何が気に入ったかというと,英語で書かれているのに,フィンランド語が散りばめられていることだ。Stieg Larsson の「ドラゴン・タトゥーの女」の英訳が楽しい理由のひとつは,ストックホルムの地下鉄が Tunnelbana になっていたり,Hedestad の通りの名前が Järnvägsgatan のままだったりするからなのだけれど,この小説にはかなわない。

 ネタバレになるのでこの小説の内容には触れないが,殺人事件の被害者が黒人アメリカ人で,彼女の惨殺死体の発見現場が snow angel の形になっていたのが,この小説のタイトルの由来のようだ。snow angel を日本語で何と呼べばいいのかしらないが,降り積もった雪の上に大の字に寝て,手足をバタバタさせると,天使が羽根を広げたような窪みができる。これを snow angel と呼ぶらしい。

 主人公の Kari Vaara とアメリカ人 Kate のなりそめの話が面白い。ソフィー・オクサネンが出てくるまで,フィンランド語の小説がいまひとつ面白くなくて読む気にならなかった人間は,James Thompson の英語の小説を読んでその乾きを癒すといいかもしれない。

Snow angel

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