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天罰 - Jumalan kosto

 フィンランドの大衆新聞 Iltalehti によると,ロシア正教会は「チェルノブイリ原発事故は人災だが,神の意志が働いて起こった」と考えているという。

 記事: "Tshernobyl oli Jumalan kosto" (Iltalehti 2011/04/27) [チェルノブイリは神の報復]

 カトリックで言えばローマ法王に当たる,ロシア正教会の指導者キリル総主教は,ウクライナのキエフで26日,「1986年の原発事故には『神の指』が関わった」と新聞記者たちに語ったという。ロシア語でなんと言ったのかはわからないが,フィンランド語では Jumalan sormi 神の指 となっている。

 記事によれば,キリル総主教は,フィンランド語に翻訳すると次のようなことを言ったらしい。

Ihmisluontoon tunkeutunut synti painostaa ihmisiä tekemään virheitä, jotta syntiset päämäärät toteutuvat.
 人間の本性の中に潜り込んだ罪が,人に間違いを起こさせ,罪深い目的を実現させようとしている。

Jumala olisi voinut pysäyttää järkyttävän virheen tehneen, reaktorista vastanneen työntekijän käden. Jumala antoi sen tapahtua. Ja monet ihmiset ovat ehkä kuolemallaan osallistuneet syntien sovitukseen.
 神は,恐ろしい間違いを犯した原子炉の操作責任者の手を止めようとすればできた。神は,そのまま放っておいた。そして,多くの人々が時には死をもって,その罪の償いを行ってきた。

 東京都の石原慎太郎知事の「天罰発言」は日本中のひんしゅくを買った。ネットで調べてみると,石原氏の発言は「日本人のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」というものだったらしい(朝日新聞 2011/03/14)。「津波で我欲洗い落とせ」は被害者への配慮がない無神経な発言だ。

 天災を天罰や祟りと受けとめるのは,日本だけでなく,世界各地で行われてきた対応のしかたである。日本では,時々に応じて,お祓いをしたり,神社を建てたりしてきた。ただ,その場合に「神のお告げ」を読み取って民に伝えることが許されるのは,宗教的指導者でなければならない。国王や独裁者はそれを都合よく解釈して利用してきただけだ。石原都知事は,ひとりで両方を演じて,まんまと選挙でも当選してしまった。

 神様へ。どうか石原知事のような人たちの罪深い手を早めに止めてください。

【附記】 このニュースはエストニアの新聞サイトでも伝えられた。

 記事: Vene patriarh: Tšernobõl oli jumala kättemaks (Postimees 2011/04/28) [ロシア正教会総主教:チェルノブイリは神の報復]

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