フィンランドの英語教育
子どもたちの英語の知識が向上したフィンランドでは,現行の学校の英語の授業にものたりなさを感じる生徒たちが出てきたので,学校の英語教育のカリキュラムを改訂することを考えているそうである。
記事: ILMIÖITÄ: Kouluenglanti jo liian helppoa nuorille (YLE.fi 2011/03/01)
記事: English in Schools Too Easy for Pupils (YLE.fi 2011/03/01)
フィンランドでは今,9割の生徒が英語を第1外国語に選ぶそうである。計画されているカリキュラム改訂が実現すれば,フィンランドの一般の学校のカリキュラムの内容をそっくり英語で教える学校をつくることが可能になるという。地理,歴史,文学といった一部の教科を英語で履修することができる学校は現在もあるようだが,それがすべての教科に適用できるようになるらしい。
子どもたちが英語ができるようにならない,と悩んでいる日本の学校関係者が羨むような話だが,EUの加盟国の英語化がどんどん進んでいるの聞くと,なんだか寂しい気がしないでもない。余談だが,国際的なヴェストセラーになった「粛清」 Puhdistus を書いたソフィ・オクサネン Sofi Oksanen は英語が非常によくできるという話をどこかで読んだことがある。
日本も,入学試験の持ち物検査を厳しくして,カンニングがしにくくすることにばかり頭を悩ますのではなく,もっと別な形で学校教育の現場を改革していくことを考えた方が将来のためになると思う。今回,英語の問題がインターネットに掲載されたにしても,関係した生徒はほんのひとにぎりの不心得ものにすぎないわけだから,大騒ぎするのはバカげている。
【更新履歴】 フィンランド語ページへのリンクを追加 (2011/03/04)
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