国家の機密
日本とアメリカ合衆国の政府間に密約があったことについて,歴代の首相が国会でウソの答弁をしてきたことが明らかになって,衆議院外務委員会で参考人質疑に立つ元外務官僚の守秘義務の解除をするかどうかが話題になっている。 [ 記事ページ ]
機密というのは,多かれ少なかれ,どこの国の政府にもあって,政権が代わったり,国際情勢が変化したりすると明らかになることが多い。機密とは,早い話,政府が国民のためだと言ってウソでごまかすときに使うことばである。
冷戦時代に Stasi の名前で知られた東ドイツの秘密警察ために諜報活動を行っていたフィンランド人の名前が載っているリストの公開を求める訴訟が,フィンランドの最高行政裁判所で始まった。フィンランドの公安警察 SUPO (suojelupoliisi) は拒否の姿勢を崩さず,最高裁がどのような判断を下すかが注目されている。
リストには18人の名前があり,その中には,現在の労働組合運動で指導的な立場にある人物の名前もあるといわれる。このリストは,1978年から1990年まで,フィンランド公安警察長官をつとめた Seppo Tiitinen の名前をとって,Tiitisen lista 「ティーティネンの名簿」と呼ばれるらしい。
余談になるが,Tiitinen 氏は,1993年2月,フィンランド国会議長団が来日したとき,フィンランド国会 Eduskunta の事務局長としてメンバーに加わっていた。私は,このとき,一行の通訳として関西や九州にまで行動をともにしたので,Tiitinen 氏の風貌を覚えているが,とても公安警察の長官を努めた人という雰囲気はなった。だからこそ,逆にそういう職務に向いていた人だったのかもしれない。
記事: KHO pohtii Tiitisen listan julkistamista 最高裁がティーティネン・リストの公開を検討
記事: HBL: SAK:n viestintäpäällikkö luovutti Stasille satoja sivuja スウェーデン語紙:労組連合の広報局長は東ドイツ秘密警察のスパイだった
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