エストニア語の正書法の改革 - Kas "Laulev revolutsioon" või "laulev revolutsioon"
エストニア語に縁のない日本人には瑣末な問題に見えるかもしれないが,エストニア人はもちろん,エストニア語に縁のある外国人にとっても見落とせない,エストニア語の綴方のルールの改革が6月に行なわれた。
記事: Eesti keel sai kolm olulist uuendust (Postimees 2012/07/16)
この正書法のルールの変更は,インターネットでの検索を容易にする目的もあると考えられる。すなわち,インターネットでは守られなくなったルールを緩和して,実際の慣用に基づく綴りかたも合わせて許容するようしたと考えられる。変更の要点は次の3つである。
(1) 歴史上の出来事は,これまで大文字で書くのがルールとされてきたが,歴史上の出来事か否かの区別があいまいなケースが多くなったため,固有名詞が使われた場合は別として,固有名詞を含まない場合は,小文字で書いてもかまわないことになった。その結果,たとえば,次の例は両方の綴りが許容される。
第二次世界大戦: Teine maailmasõda ~ teine maailmasõda
歌う革命: Laulev revolutsioon ~ laulev revolutsioon
(2) 副詞を含む熟語で,分かち書きをしなければならないとされていたものが,慣用になっている分かち書きをしない綴り方も許容されることになった。たとえば
あるいは: kas või ~ kasvõi
いかなる: mis tahes ~ mistahes
(3) võib-olla のハイフンが義務的でなくなり,võibolla と書いてもかまわなくなった。記事からは,この改革が,nii-öelda 「いわゆる」のような例にも適用されるのかどうかはわからない。
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