エストニアの人気キャラクターたち - Sipsik, Lotte, Pokud
エストニアで人気のあるキャラクターを集めてみた。基準は,人形が売られている,もしくは,切手が出ていることである。
基準を満たすキャラクターが3つ見つかった。
いちばんの古株は Sipsik シプシックで 1960年代に登場しているから,おばあさんの世代の好きだったキャラクターと言った方がいいが,ソビエト体制崩壊後の人気キャラクター Lotte ロッテと並んで,お店で人形が売られていることからもわかるように人気は衰えない。キャラクターとしては,児童文学作家 Eno Raud エノ・ラウト の創作したものだが,その視覚的なイメージは,画家 Edgar Valter エトカル・ヴァルテルの挿絵によるものだ。シプシックそのものが,主人公の少女が端切れなどで縫った人形で,エストニア版のピノキオのように冒険をする。月にまでロケット旅行するが,残念ながら日本には来たことがない。少女が大きくなると,言葉が通じなくなり,ふつうの人形に戻ってしまうところは,映画「いけちゃんとぼく」に出てくる,お化け(?)の「いけちゃん」(声: 蒼井優)と似ている。
関連ページ: シプシックのホームページ
そのエトカル・ヴァルテルが児童文学作家として,自分の文で生み出したのが Pokud ポックである。ポックは,釧路湿原や尾瀬で見られるヤチボウズ(谷地坊主)と呼ばれる現象(?)を生き物に見立てて,森の中でひとり,犬と猫と一緒に暮らす,作者本人とよく似た老人とポックたちの交流の物語である。独特のエコロジー志向が評判になって,テーマパークPokumaa (ポックの国) まで作られたが,テーマパークの方は今ひとつ人気がないようで,閉鎖の危機に瀕しているらしい。
関連ページ: エトカル・ヴァルテル (Edgar Valter)
関連ページ: 野外劇 - näitemäng (2010/07/26)
シプシックもポックもアニメ映画にはなっていないが,犬娘の Lotte ロッテは,アニメ映画が2本作られている。とくにエストニア的なキャラクターではないし,名前もどこかで聞いた名前のように思うが,キャラクター商品が売られているという点では,エストニアのミッキーマウスやムーミンと言っていいだろう。
関連ページ: 家族向けのエストニア国産アニメ映画 - Lotte ja kuukivi saladus (2011/08/11)
関連ページ: 子犬のキャラクタが大人気 - koeratüdruk Lotte (2010/10/24)
Sipsik シプシック
Pokud ポックたち
Lotte ロッテ
2011年8月封切り
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