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エストニア防衛省で銃撃戦 - tulistama

 今日(8/11)午後,銃で武装した中年の男が,タリンのエストニア防衛省 Kaitseministeerium の建物の1階に乱入し,発砲して,2人の職員を人質にとって立てこもった。

 記事: Kaitseministeeriumis tulistanud Karen Drambjan sai surma (Postimees 2011/08/11) [映像あり]
 記事: Kaitseministeeriumis tulistanu hukkus (ERR 2011/08/11) [映像あり]
 記事: Kaitseministeeriumi ründaja oli Karen Drambjan (Postimees 2011/08/11)  [映像あり]
 記事: Sakala tänaval kõlasid lahingupaugud (Postimees 2011/08/12)
 記事: Tuttavad: äkilise loomuga Drambjan kaitses oma seisukohti vihaga (Postimees 2011/08/12)

 エストニアの防衛省がある Sakala サカラ通りは,映画館やコンサートホールのある娯楽センター Solarise keskus の裏手にある。

 15:08 警察に「ピストルを持った男が防衛省の建物に乱入」という通報。この間,防衛省の職員たちは,窓から飛び降りるなどして建物から脱出し,エストニア劇場に避難。16:20 公安警察 kapo が警察に代わって現場の指揮権を掌握。16:40 防衛省の建物を取り囲んでいた特殊部隊が建物の中に突入し,銃声が何発か聞こえる。17:20 銃撃が交わされ男が死亡。人質になった2人は無事に逃げ,とくに怪我人は報告されていないという。

 死亡した犯人は,Karen Drambjan という1954年生まれの男と特定された。極左政治団体【注*】のメンバーで,アルメニアのエレバン生れ。エストニア国籍を1993年に取得,タリンの東隣の町 Maardu で法律事務所を開いていた。

 一部に流れていた,犯人はエストニア軍の退役軍人ではないかという憶測を,防衛省は否定した。また,マスコミは当初,犯人自殺と報道したが,間違いだったことが判明した。なお,マスコミは,公安警察の発表に配慮し,「射殺」ではなく「銃撃戦で死亡」(hukkus tulevahetuses)という表現を使っている。

 夏休みの時期で,勤務していた職員の数も比較的少なく,Mart Laar マルト・ラール防衛大臣も例外ではなく,休養先から急遽駆けつけて,16:12 に現場に到着したそうである。厳重に警備され,外部の人間が入れないはずの区画に侵入者があったとすると,省内の職員全体に心の緩みがあったと批判されてもしかたがないだろう。

【注*】エストニアを始めとする旧ソ連邦では,ソビエト体制復活を唱えることは,日本で戦前の軍国主義の賛美をすることに相当する。いいかえると,エストニアでは旧共産党支持の極左団体が,日本の右翼団体と同じ役割を果たしている。

【補足】 日本での報道には,アンシプ首相が「7月にノルウェーで起きた乱射事件との類似性を指摘」とあるが,エストニアでは,首相が「模倣犯ではないか」と言ったらしいことが報道されているだけだ。犯人がエストニアにとっては移民系の人物であること,犯人が銃を乱射したわけではないこと,犯人が射殺されたことなど,いくつもの点でノルウェーの銃乱射事件とはかなり性格の違う事件ではないかと思われる。 [2011/08/13]

防衛省     Kaitseministeerium
発砲する    tulistama
死亡する    surma saama; hukkuma
銃で武装する püstoliga relvastama
人質に取る   pandivangi võtma
怪我をする   vigastada saama; viga saama
逃げる      põgenema
銃で自殺する ennast (end) maha laskma
事件の経過  sündmuste käik
侵入する    tungima
解放される   vabanema
退避させる   evakueerima
発砲,銃声   lask
所属する    kuuluma
目撃者      pealtnägija
落ち着かない närviline
侵入者     sissetungija
発煙筒     suitsupomm
爆弾       pomm
爆発       plahvatus
公安警察   kaitsepolitsei; kapo

Eriüksuslased kaitseministeeriumi ümber

Drambjan minisgteeriumi koridorist kaugemale ei pääsenud

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コメント

左翼団体の説明、よくわかりました。いまのところ、動機は不明のようですが、この後この問題はどう展開していくのでしょうか。

投稿: こもり | 2011/08/12 10:06

Solaris keskus の裏手、、、街は大騒ぎだったのではないでしょうか。

投稿: D1994 | 2011/08/12 13:47

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