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ラジオドラマ「粛清」 - Raadioteater: Sofi Oksanen "Puhastus"

 エストニア放送協会 ERR (Eesti Rahvusringhääling) のラジオ放送の1つ Klassikaraadio が,今週,毎朝 9:30~10:00 の枠で,ラジオ劇場 Raadioteater として,ソフィ・オクサネンの「粛清」のラジオ・ドラマ版を放送した。

 記事: Sofi Oksaneni “Puhastus” tuleb raadiosse (Klassikaraadio 2011/08/06)

 火曜日の朝 (8/9)ラジオをつけてこの連続放送劇に気づいたので,月曜日放送分をあとからネットで聞いたほか,朝から外出した金曜日の第5話も土曜日の朝,ネットで聞いた。

 第1部: Raadioteater: Sofi Oksanen "Puhastus" I (放送日 2011/08/08)
 第2部: Raadioteater: Sofi Oksanen "Puhastus" II (放送日 2011/08/09)
 第3部: Raadioteater: Sofi Oksanen "Puhastus" III (放送日 2011/08/10)
 第4部: Raadioteater: Sofi Oksanen "Puhastus" IV (放送日 2011/08/11)
 第5部: Raadioteater: Sofi Oksanen "Puhastus" V (放送日 2011/08/12)

Sofi Oksanen (7.01.1977 -) 声優は名前から判断してロシア人のようだが,強いロシア語訛りがあるはずの Zara のエストニア語がなめらかすぎ,また,現代エストニア語風すぎるのがやや気になる。エストニア語に限らず,たとえどんなに流暢でも,異国で祖母から倣ったとするとやや古めかしい語彙や表現が目立つのがふつうである。初めてやってきたエストニアで,いきなり違和感なく話せるというのはあまりありそうにない。

 他方,Zara のヒモのロシア人の男たちは,訛りのないエストニア語で話しているが,ところどころにロシア語によるやりとりをはさむことによって,ロシア人がロシア語で会話していることが強調されるようになっている。ロシア人がエストニア語を話す設定では,ロシア語訛りがないとロシア人の話し方に聞こえないが,ロシア人がロシア語で話している場面では,ロシア語の完全な文や段落をしかるべき頻度で交えさえすれば,残りは全部,標準的なエストニア語で話したとしても,ロシア語で会話しているように聞こえるというのは,面白いと思う。英語の映画でも,外国語の会話とされる部分でよく使われる手法である。なお,若い Aliide (1949~53年)と40年後 (1992年) の Aliide は年齢の違う異なった声優が演じている。

 ドラマが原作と大きく違うところは,Ingel と Aliide 姉妹が Hans と出会う頃や,ソビエト体制が始まる前の話がカットされていて,Aliide が姉の夫に横恋慕するようになった経緯がドラマではわからないことと,原作では, Zara が知り得なかった Aliide と Hans に関する事実,また Zara の祖母 Ingel も母親の Linda も口を閉ざして語ることのなかった強制連行をめぐる事情を Zara に Aliide が自ら明かしてしまう点だ。

 ドラマの効果音で気になったことがある。主人公 Aliide の姉でシベリア送りになった Ingel の孫で,突然 Aliide の家にやってくる Zara は,ロシアの極東で生まれ育つが,成人したての年齢で,幼なじみに騙されてドイツに連れていかれ,ロシア人のヒモに売春宿で娼婦として働かされる。ドラマでは,そのあたりの背景が明らかにされる場面で,アダルトビデオのアフレコのような怪しげな声がバックグラウンドにかなりの時間にわたって流れる。原作自体にも,ジャンルを間違えて買ってしまったのではないかと錯覚させるような,かなり危ない台詞が出てくるが,このあたりの感性は日本人の感性とはかなり違うようである。

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