書店のお得意様会員 - püsiklient
エストニアの本屋さんでは,レジで,名前の他に,住所やメールアドレスなどを紙に書いて登録して püsiklient というものになると,本が5%程度の割引で買える。
字義通り訳すと「固定客」。登録はネットでもできる。とくに資格はなくて,誰でも会員にすぐなれるし,会員カードというものがあって,それを見せる必要があるわけでもなくて,会員名を申し出ればそれでサービスが受けられる。私は,Apollo という本屋のネット書店をよく利用するので,会員登録してすでに割引を受けている。
昨日 (8/5),ショッピングセンター Viru keskus の中の Rahva Raamat で本を買ったら,レジの女性 ─ 流暢なエストニア語なのだがロシア語の単語や文が頻繁に交じる。でも言っていることがすべてわかる私も相当スポイルされている (笑)─ が,割引になるからこの場で会員登録しなさいというので,それならと Rahva Raamatu の固定客会員になってしまった。おかげて,2ユーロ23セントの節約ができた。
他の店員に「どんな特典があるのか」と聞いてみたところ,毎回の買物の割引のほかには,年に何回かある特別セールの案内が来るなどのサービスが受けられる程度らしい。年に1度エストニアに来られるかどうかという私には利用する機会のそれほどありそうにない会員資格であることは確かなようである。
エストニアと言うと,すぐに,E何とかという話になる昨今だが,こういう昔ながらのアナログ型サービスがしっかり残っているところが何ともいい。アクティベーションだのなんだのと言わないから,インターネットをまったく利用しない人でも,携帯を持っていない人でも,紙に書いて申し込むだけで,会員の特典が受けられる。ただし,ここはエストニアなので,申込用紙のの言語はエストニア語である。
基本的には,日本のいろいろないろいろな店で出しているポイントカードと同じような発想だとは思うが,日本の場合は,ポイントをせっかく集めても,ポイントカードをなくしてしまうと恩恵が受けられないし,一定のポイントが期限内にたまらないと何の意味もない会員資格が多いから,その場で現金で割り引いてくれるエストニアの本屋の püsiklient のようなシステムのほうが消費者にとってはありがたい。
なお,日本と違って,再販制度がないから,本に全国一律の定価がないのもこういった割引ができる基盤になっている。いろんな本の期間限定の特売をしょっちゅうやっているし,同じ本が書店によって違う値段で売られていることもある。当然,5%引きというのは,その書店の店頭価格の5%引きという意味である。
エストニアの本屋のホームページ: Apollo ─ Rahva Raamat
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