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ツルの子を助けて - kurepoeg

 エストニア動物保護連盟が,脚を骨折した子ツルの手術のための募金を訴えている。

 記事: Kurepoeg Anton vajab kiiret abi (Postimees 2011/08/12) [映像あり]

 育児放棄は人間の世界だけかと思っていたが,鳥の世界にもあるらしい。親に見放されたツルのひなを,タリンのムスタマエ団地に住むおばあさんが拾ってアパートに連れ帰り,Anton アントンという名前をつけて,部屋まで与えてかわいがって育てていた。美談として紹介されそうな話だがが,現実は甘くない。ツルのエサのことを知らなかったため,肉や野菜やお菓子ばかり食べさせてしまったらしい。そのため,栄養失調 (カルシウム・ビタミンD不足) で骨が弱くなったツルの子は,脚をひどく骨折してしまい,緊急に手術しないと命が危ないという。

 善意とは言え,間違った食事を与えてしまったおばあさんは,罪作りなことをしてしまったわけだが,保護連盟の人の説明がよく飲み込めず,ただ悲しみにくれているという。

 獣医師は手術そのものにはお金を取らないと言っているが,ツルの子を保護した動物保護連盟では,必要な麻酔薬ほかの薬剤を買う費用が捻出できず,「アントン君を助けて」と募金を募ることにした。

 募金が十分集まらず,手術ができない場合は,殺処分,いわゆる安楽死になってしまう。手術が成功すれば,Raplamaa ラプラ県にある動物のリハビリセンターに移されるそうだ。

 昨年(2010)の秋,テレビで「獣医ドリトル」というドラマを見てから,動物に優しくするということは,動物を人間と同じように扱うことではないということがなんとなくわかったつもりになっている。このロシア人のおばあさんは,アントンをベッドに寝かせたり,膝の上に抱いてテレビをみたり,本当に大切に育てていたようなのだが,アントン君とそういう接し方をしてはいけなかったのだということが,すなおに納得できるようになった私は,われながら賢くなったと思う。

子ツル        kurepoeg
必要とする     vajama
急ぎの        kiire
援助,助け     abi
金銭的支援     rahaline toetus
足の骨を折る    jala murdma
足,脚        jalg
老婦人        vanaproua
間違った,虚偽の vale
食餌         toitmine
鳥          lind
骨折         luumurd
骨          luu
寄付         annetus
治療         ravi
支援する      toetama
送金         ülekanne
口座         arve
説明         selgitus

立って歩けないアントン君
Anton03

Anton02

Anton01

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コメント

これはツルではありません。
シュバシコウというヨーロッパなどにいるコウノトリの幼鳥です。ツルとは暮らし方や食べ物が違います。
言葉は分かりませんが、現地の人はツルとは言っていないはず。

投稿: コウノトリ | 2011/08/17 17:28

ご指摘ありがとうございます。鳥のことは無知ですので,よくわかりません。

言い訳をしますと,エストニア語には kurg という鳥名があって,日本のツルに外見が似たいろいろな鳥の名前の一部に使われています。たとえば,コウノトリと私が訳した toonekurg も,この意味で kurg の仲間です。エストニアでは,コウノトリも「ツル」ということになります。

動植物の民間名は大雑把な所があります。たとえば,エストニア語の metskits は字義通りには「野生のヤギ」ですが,動物分類ではシカの仲間です。日本人的には「ヤギ」と「シカ」は一緒にしたくないのですが,エストニア語的には区別しないで,シカを kits ヤギと呼ぶことがよくあります。あるいは,日本人は,クリスマスツリーはモミの木の枝と思っているけれど,少なくともエストニアではモミのクリスマスツリーはほどんどなくて,トウヒが使われるようです。値段がぜんぜん違うようですが,でも私には区別がつかないので,大雑把にモミの木と言ってしまったりします。

この記事では,この鳥のひな(?)は単に kurepoeg つまり「kurg の子ども」と呼ばれているだけで,なんという鳥なのか書かれていません。私は kurg をツルと訳すことにしているので, kurepoeg は自動的に「子ツル」ということにしました。エストニア語で kurg と総称される,動物分類学的には雑多な鳥の仲間たちのひな鳥の一般名称です。

動物学的には,乱暴なのかもしれませんが,エストニア語で kurg と呼ばれる鳥は外見的に似ているので,同じ仲間になっていても違和感は感じません。

いずれにしても,言語が違うと,動植物の名前はうまく対応しないことが多く,翻訳は難しいです。ヒラメとカレイの区別のように上手く対応してくれるのはむしろ例外ではないかと思います。原則がないと言われてしまえばそれまでですが,そのときどきで,臨機応変に対応してます。納得していただけないかもしれませんが,事情をお汲み取りいただければ幸いです。

投稿: ブログの主 | 2011/08/17 18:01

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