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エストニアの「歌う革命」が本に - Eestimaa laul 88

 エストニアが崩壊して行くソビエト体制の中で,独立を再び回復して行く過程は「歌う革命」として知られているが,その名前の由来となった合唱祭 (1988年9月19日) の記録が本になって出版された。

 記事: Laulva revolutsiooni tippsündmusest valmis raamat (Postimees 2011/07/06)
 記事: Laulva revolutsiooni tippsündmusest valmis raamat (ERR 2011/07/06)

 この合唱祭は,5年ごとに開かれてきた全国合唱祭ではなく,特別に開催されたもので,いわば合唱祭の番外編だったが,その時期と規模の大きさから世界的な話題になった。この合唱祭の映像記録が Eestimaa laul 88 (エストニアの歌 88) というVHSビデオとして,一時期出回ったという話を以前話題にした。この映像は,もうふつうには手に入らない。今回出た本のタイトルはビデオと同じだが残念ながら映像は付いていない。しかし,この合唱祭で歌われた歌が当時の録音で残っていて,それを収録したCDが付いている。漫画家 Heinz Valk ヘインツ・ヴァルクの歴史的なスピーチも含まれているそうである。

 書店のページ: Eestimaa laul 88. Kõned. Fotod. Meenutused. CD (Apollo.ee)

 「エストニアの歌88」の本は,エストニア公共放送によって100部が各地の図書館に寄贈され,1000部が書店で売られる。大手書店 Apollo のネット書店では20ユーロ弱で売られている。参考までに,エストニアの人口は日本の100分の1程度だから,初版1000部というのは,単純計算で日本では10万部に当たる。

 関連ページ:
  歌う革命 - laulev revolutsioon (2010/04/05)
  歌う革命 (2) - laulev revolutsioon (2010/09/05)
  歌う革命 (3) - laulev revolutsioon (2010/10/21)
  20年後 - kakskümmend aastat hiljem (2011/07/23)

 この本の話を聞いたときには,初版がすぐに売り切れてしまうかもと思ったのだが,ニュースが流れた1ヶ月後の8月上旬になっても,タリンの本屋では平積みになったままである。知り合いに聞いたら,20€弱 (約2200円),クローンにして310 EEK というのは,エストニア人にはかなり高額の本に感じられるという。考えてみると,日本でさえ,小説の単行本は1700円前後である。

 【更新履歴】 私の勘違いをしていたところもあったので,2011/07/08 公開のページを少し修正・改訂しました。「歌う革命の歌謡祭」が行われた日付を 1988年9月11日としていたのは私の勘違いです。エストニアTVの番組の記録のビデオでもう一度確認したところ,行われたのは9月19日でした。 [2011/08/06 記]

歌う革命      laulev revolutsioon cf. 英語 the Singing Revolution
本          raamat
合唱祭広場    lauluväljak
スピーチ      kõne
回想        meenutus
記録されている  kirjas olema
ことば,語     sõna
歌          laul
できごと      sündmus
歴史        ajalugu
CD         CD-plaat

Heinz Valk (左) と Enno Selirand (1988年9月の合唱祭の仕掛け人で,本の編者のひとり)
Heinz Valk Enno Selirand

Eestimaa laul 88. Raamat Eestimaa laul 88. CD-plaat

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コメント

この「歌う革命」の本がやっと手元に届きました(まぁCDを聞きたいから買っただけでして、文書はさっぱり読めないんですが…)。
こうして情報を載せていただいたおかげです。ありがとうございます。

ところで、質問があるのですが。
記事の訂正で、合唱祭の日付は9/19が正しい、とのことですが、
YouTubeにアップされている映像には「11.09.88」と表示されていますし、
届いた本の出だしにも「11.septembril 1988.」と書かれています。(google翻訳したらここだけ理解できました)
もしかしてEESTI TVは録画日を間違ってるんでしょうか。
それともこの録画とは別に9/19に本番があったんでしょうか。

投稿: TSkhr | 2011/08/18 02:21

Tallinn film で1990年代に VHS にダビングしてもらったビデオ映像には

Tallinna
Lauluväljak
19. sept. 1988

のように日付が入っているので,これに従っています。

エストニア語の Wikipedia を始めとして,ネットの情報は,9月11日で統一されてますね。多数決で決めるなら,9月11日になりそうです。ビデオの編集の時に間違えたのかな。

アメリカで出た The Singing Revolution は,9月とだけ言っていて,何日かは明確にしてません。

またエストニア語の Wikipedia には Eestimaa lauk 88 の項目がないようです。

投稿: ブログの主 | 2011/08/18 03:43

ああ、なるほど。
以前の記事でおっしゃっておられた「Eestimaa laul'88」の映像のことですよね。
その当時の映像データに入っているならそっちのほうが正しい気がしますね。

不謹慎ですが、9.11と聞くとアメリカのあの事件と「同じ日付だ」と覚えやすかったのでつい…


投稿: TSkhr | 2011/08/19 00:46

happy01 さっきまで40代のエストニア人たちと話していて,酔っ払う前にいろいろ聞いたところ,このときの合唱祭は週末だったという記憶があるというので,携帯で調べてもうらうと1988・9・19が月曜日,9・11が日曜日だったことがわかって,9・19だった可能性はまずなかろうという結論に落ち着きました。

なぜ間違った日付をビデオに入れてしまったのか,という疑問は残ります。

投稿: ブログの主 | 2011/08/19 05:51

あれ、すると9月11日のほうが正しいぽい、ということですか。
当時の映像記録をしていた側が日付を入れ間違えた、と。

まあ「日付なんてどうでもいいじゃん」と言われてしまえばその通りなんですが。
ある意味革命の記録でもあるわけだから、大事に取り扱われているものと思ってたのですが結構アバウトですね(苦笑)。

ところでエストニアの田舎の雰囲気もよさそうですね。
2年前にエストニアに行ったときはlaulupiduを見ることで手いっぱいでしたが、
次に行けたらもう少し行先を増やしてみたいなぁ…

投稿: TSkhr | 2011/08/20 23:35

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