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歴史を忘れない - mälestagem

 今年も6月の強制連行 juuniküüditamine (1941年6月14日) の記念日が巡ってきた。今年は70周年に当たるので,イルベス大統領,エルクマ国会議長,アンシプ首相が連名で次のような呼びかけを行った。

 記事: Riigijuhid: mälestagem oma kaasmaalasi (Postimees 2011/06/14)
 記事: Teisipäeval heisatakse Eesti lipud leinalipuna (Postimees 2011/06/14)
 関連ページ: 6月の強制連行 - küüditamine (2010/06/15)

親愛なるエストニア国民のみなさん。

 今日は,エストニアの歴史を変えた日から70年目の日である。1941年6月14日ある全体主義権力が,占領した領土において,征服された民族の成員に向けて,全面的な暴力を遂行した。

 その外国権力の残忍な行為は,人類に対する犯罪と見なされ,これにより,数千の家族がそれぞれの悲劇を体験することになった。

 それは死であり,親子が生き別れることであり,家族が故郷から引き裂かれることであった。外国権力の望んだことは,エストニア人たちを散り散りにし,私たちの大切な息子や娘たちを亡き者にすることだった。

 エストニアを粉々に打ち砕き,自分たちの国についての記憶と,独立の可能性を破壊しようとする企て。

 私たちエストニア人の中には,その破壊の企てに屈せずに生き延びた人々がいた。エストニアの地に再び戻り,新しい世代を育てることができた家族がいた。

 この人たちこそ尊敬されるべき人たちである。

 エストニア人のみなさん。今日,エストニアの至る所で,花環や花束を記念碑のもとに供えながら,犯罪的な共産主義体制の罪なき犠牲者となったエストニの人々,運命を共にした人々の思い出を新たにしよう。

 そう,6月の強制連行によって,エストニアの歴史に傷跡が残されたのだ。

 エストニア人たちは,当時,初めて体験する集団的で非人間的な犯罪,すなわち,もっとも残忍な部分をあからさまにする,共産主義のもたらした全体主義体制に,昼も夜も苦しみ続けなければならなかった。

 独立への願い,民主的なエストニア共和国への願いを人々の心から根絶やしにしてしまうことは,しかしできなかった。

 まったく逆のことがおこった。国を滅ぼすことはできなかった。それは,鉄のカーテン【*注】のこちら側でも向こう側でも,民衆の心のなかで次第に成熟していった。

 そして,時が熟したとき,正義はやがて勝利し,ここに法的にも継続性においても,安全で美しく,対外的にも順調なエストニア共和国が,育つに至った。

 そのことを,2011年6月14日の私たちは,実際に感じており,自分たちの周りを見て確認することができる。

エストニア万才。

【*注】 ここでは sealpool raudkangast となっている。一般的には raudne eesriie が使われると思われ,辞書には raudkangas は載っていない。

 記事: ETV näitab homme uut dokumentaalfilmi «Mälestuste jõel» (Postimees 2011/06/13) [エストニアTVの記念ドキュメンタリー]
 記事: Balti riigid mälestavad küüditatuid Peterburis jumalateenistusel (Postimees 2011/06/13) [ペテルブルクのエストニア教会でミサ]
 強制連行に関する資料: Soviet deportations from Estonia in 1940s (エストニア外務省)


思い起こす    mälestama
親愛なる     armas
エストニア民族  Eesti rahvas
(時が)過ぎる   mööduma
エストニアの歴史 Eesti ajalugu
暴力        vägivald
征服する     vallutama
残忍な       koletislik
行為        tegu
死         surm
離れさせる    lahutama
希望,願い    soov
散り散りに    laiali
破壊する     hävitama
記憶        mälestus
可能性      võimalus
尊敬       austus
花環       pärg
記念碑      mälestussammas
罪のない     süütu
6月の強制連行 juuniküüditamine
夢,願い     unistus
独立した     iseseisev
エストニア共和国 Eesti Vabariik
根絶やしにする välja juurima
熟する      küpsema
胸,心      põu
鉄のカーテン  raudkangas cf. raudne eesriie
エストニア万才 Elagu Eesti!

自由の広場に置かれた1940年代の家畜車両とトラック
Juuniküüditamisaegse loomavaguni ja veoauto transport Vabaduse platsile


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コメント

いつも楽しく読ませて頂いています。読めない記事を正確に翻訳して頂き助かっています。昨日はそういう日だったとは知りえませんでした。

投稿: Pitt | 2011/06/15 20:46

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