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外国語としてのロシア語 - vene keel võõrkeelena

 ソビエト体制崩壊直後の一時期,エストニアの若者たちに敬遠されたロシア語だが,このところ外国語としての価値が見直されて,英語に続く人気を保っている。

 記事: Vene keele õppimise populaarsus koolides on tõusnud (ERR 2011/05/17)
 記事: Vene keele õppimise populaarsus kasvab (Posatimees 2011/05/18)

 エストニアの若者の80%は外国語として英語を選ぶが,学校でロシア語を外国語として学ぶ生徒も38%にのぼっている。火曜日(5/17)に行われた外国語としてのロシア語の国家試験をうけた受験したエストニア人の生徒は 393人で,これは過去5年間の最高の人数である。

 ロシア語の国家試験の不合格者はほんの数人で,合格率は100%に近い。これは,エストニア語系の学校に通っているが,自宅ではロシア語を使っている生徒のように,もともとロシア語の知識のレベルが高い受験生が多いためである。また,労働市場でのロシア語の能力の需要は,英語の能力の需要とほぼ変わらないため,子どもにロシア語を勉強させる親が増えているとも言われる。一方で,ドイツ語の試験を受験する生徒の数はこのところ減少しているという。

 エストニア人のロシア語というと,流暢な人でも非常にくせがあり,逆に,ロシア語系の人は片言のエストニア語しか話せないというのがソビエト時代のお決まりのパタンだったが,最近はエストニア語をよどみなく話すロシア語系の若い世代が公共の場で働いているのに出会うようになった。国立図書館の新聞・インターネット室に行ったとき,カウンターでロシア語でやり取りしていた若い2人の女性職員が,私がエストニア語で話しかけると,すぐに言語を切り替えて,応対してくれたことを思い出す。一方,エストニア語系の人たちの英語の運用能力は格段に向上し,たとえば,英語で学位論文を書くエストニア人も増えてきた。

 ちなみに,野党の大物政治家でタリン市長の Edgar Savisaar サビサール氏はロシア語が堪能,首相のAndrus Ansip アンシプ氏は英語が堪能というふうに,同じ世代ながら対照的だが,外国語の知識の違いが2人の現在のエストニアにおける政治的役割の違いを象徴していると言えるだろう。

 関連ページ: 受験シーズン - riigieksamid (2011/02/14)
 関連ページ: エストニア人のロシア語の知識 - vene keele oskus (2010/07/27)
 関連ページ: エストニア語・ロシア語辞典 - sõnaraamatエストニア語・ロシア語辞典 - sõnaraamat (2010/03/04)

外国語      võõrkeel
ロシア語     vene keel
英語       inglise keel
ドイツ語     saksa keel
学ぶ       õppima
増える      kasvama
上昇する     tõusma
下がる      langema
独立回復    iseseisvuse taastamine
言語の選択   keelevalik
教育科学省   haridus- ja teadusministeerium
両親        vanemad
国家試験     riigieksam
家庭の言語   kodukeel
選ぶ        valima
多文化的な背景 multikultuurne taust

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