氏名を変更する - nimevahetamine
エストニアでは,氏名の変更 (改姓,改名) が日本と比べると比較的簡単にできるが,法改正でその条件がますます緩くなってきているらしい。
記事: Nimevahetamine kasvas aastaga hüppeliselt (Postimees 2011/04/12)
昨年エストニアで,婚姻以外の理由で氏名を変更した人は1192人もいたらしい。グラフを見ると,その内訳は,改姓が912人(76.5%),改名が188人,改姓+改名が92名となっている。単純計算で日本に当てはめれば,10万人を超える数である。改名が意外と少ないのは面白い。氏名変更の申請が却下されたケースが極めて少ないのも注目に価する。
改姓の理由でいちばん多いのは,旧姓を回復したい,あるいは,祖父母の姓に変えたいというもので,このふたつの理由はほとんど間違いなく認められるという。とくに女性は,離婚の時に決めなくても,いつでも好きなときに旧姓を取り戻せるわけだ。このほか,最近は,ロシア語の姓をエストニア語の姓に改めるケースも増えているらしい。
逆に,認められないケースは,たとえば John Smith のような明らかに外国語とわかる氏名への変更のほか,事実婚の関係にある相手の姓への変更も許可されないらしい。
氏名の変更が簡単にできるので,たとえば犯罪歴のある人や自己破産した人のように,過去を隠したい人たちが多く利用しているという。この場合,氏名を変更しても,エストニア国民としての個人登録番号が変わるわけではないが,個人番号はネットでグーグル検索できないのはもちろんのこと,閲覧可能な裁判記録からは検索できないらしい。隠したい過去のある人が再就職したい場合,氏名を変更していれば,会社の人事担当者に以前の名前を知られない限り,その人の過去が明るみに出ることはまずないわけだ。
日本で氏名の変更,とくに改姓が難しくなっている理由のひとつは戸籍制度という旧態依然とした制度のためと思われる。改姓は「やむを得ない事情」があるとき,また改名は「正当な事情」があるときに,家庭裁判所に申請して許可を得ることによって可能になるとされている。日本では改姓は,結婚,離婚の時とほぼ相場が決まっていて,それ以外の改姓はおそろしく難しいらしい。他方,改名が認めらることは結構あって,そのうちでも,漢字表記だけ変えるような場合がいちばん認められやすいようだ。私は,1学年1クラスの田舎の小学校に入学する直前に,同姓同名が二人いるのは不都合だという理由で,名前の漢字表記を変えたことを覚えている。親は名前そのものも変えようとしたらしいが,それは認められなかったらしい。私が改名することになったのは,相手より誕生日が遅かったからと聞いている。
日本人的に考えるといろいろな意見もあるだろうが,たとえば,殺人犯の身内であるというだけの理由でいつまでも世間をはばかってくらさなければならないといった状況は好ましくないから,日本でも氏名の変更の条件を部分的に緩やかできないものかと思う。映画「ゴールデンスランバー」(2010年公開,伊坂幸太郎原作)では,首相暗殺の犯人に仕立てあげられ逃亡を続ける主人公が,整形手術を受けて顔を変えてとりあえず警察の追跡をかわす。しかし,名前がもとのままである以上,就職しようとしたり,パスポートを申請すれば明るみに出てしまうわけだから,あのエンディングにほっとしてしまうのは間違いだろう。
名前 nimi
氏名変更 nimevahetamine
取り替える vahetama
姓 perekonnanimi
名 eesnimi
大部分 lõviosa
婚姻以外の理由で väljaspool abiellumisi
結婚する abielluma
回復する taastama
旧姓 neiupõlvenimi
犯罪歴 kriminaalne taust
自己破産 isiklik pankrott
申請 taotlus
個人登録番号 isikukood
不変の muutumatu
秘密にする salastama
グーグル検索する guugeldama
公開された avalik
過去 minevik
しみ,汚れ plekk
有罪判決を受けた süüdimõistetud
もと配偶者 eksabikaasa
犯罪 kuritegu
犯罪者 kurjategija
データベース andmebaasid
刑事罰 kriminaalne karistus
覆い隠す varjama
エストニア語風の eestipärane
異国風の võõrapärane
エストニア語に訳す eestindama
やむを得ない理由 mõistlik põhjus
祖母 vanaema
祖父 vanaisa
祖父母 vanavanemad
事実婚 vabaabielu
連れ合い kaaslane
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