学校の先生のエストニア語運用能力 - eesti keele oskus
お気の毒としか言いようがないが,エストニアのロシア語系学校の先生方の受難が続いている。
記事: Üle 360 pealinna õpetaja saadeti keeleeksamile (ERR 2011/04/25)
記事: Üle 360 Tallinna õpetaja saadeti keeleeksamile (Postimees 2011/04/25)
エストニアでは言語法によって,公的な職業に付くために必要とされる国語であるエストニア語の運用能力の基準が規定されていて,学校の教員にもその規定が適用される。エストニア語を母語としない教員は,しかるべきレベルのエストニア語運用能力検定試験に合格して,エストニア語の運用能力が基準に達していることを証明しなければならないことになっている。これまで,この規定はかなりおおらかに適用されてきたが,このところかなり厳しくなってきたようだ。おそらく教員たちの世代交代が進んでいて,ロシア語系でもエストニア語の運用能力の高い若手の先生が増えているので,この際年配の先生方には早めにご退陣願おうという思惑も働いているかもしれない。
エストニア言語監督庁によると,昨年(2010)末から現在までにエストニア語の運用能力のチェックを受けたタリン市内の学校の教員は1435人で,そのうちの4人に1人 (368人) がエストニア語の運用能力が不十分という判定を受けたという。中には,45人の教員の26人,32人の教員のうちの23人が不合格になった学校もあるらしい。
エストニア語の運用能力が不十分と判定された 368 人の教員全員に,期限付きでしかるべきレベルの検定試験に合格するように勧告がなされたとのことで,ほとんどの教員の場合,その期限は来年(2012)末だそうである。
教員 õpetaja
エストニア語検定試験 keeleeksam
言語監督庁 keeleinspektsioon
言語運用能力 keeleoskus
要求 nõue
基準に見たない puudulik
エストニア語運用能力 eesti keele oskus
言語法 keeleseadus
勧告 ettekirjutus
期日までに määratud tähtajaks
関連ページ:
ロシア語系学校の先生とエストニア語 (2) - vene õppekeelega kool (2011/03/19)
ロシア語系学校の先生とエストニア語 - keelenõue (2010/08/21)
ロシア語系高校の抵抗 - üleminek eestikeelsele õppele (2011/03/19)
1997年から2009年にかけて刊行された5巻本の「エストニア語・ロシア語辞典」。
エストニア語の対訳辞典としては最大の辞典である。
「エストニア語・ロシア語辞典」の vene 「ロシアの」 項目。
| 固定リンク
「学問・資格」カテゴリの記事
- エストニア語の入門オンライン・コース(2013.02.08)
- インターネットでエストニア語を学ぼう - veebipõhised eesti keele kursused(2012.02.25)
- エストニア語の夏期講習 - eesti keele suvekursused(2012.02.10)
- エストニアの大学入試 - sisseastumisavaldus(2011.07.13)
- 高校生たちの成績 - riigieksamite tulemused(2011.06.22)
「言語」カテゴリの記事
- エストニア語の入門オンライン・コース(2013.02.08)
- エストニア人と遺伝子研究 - Veri on paksem kui vesi(2012.10.25)
- ヘルシンキのエストニア人幼稚園 - Eesti lasteaed Helsingis(2012.10.01)
- 「エストニア語文法」のウェブ版公開中止(2012.09.21)
- エストニアのスウェーデン人 - rannarootslased / estlandssvenskar(2012.09.02)
「教育」カテゴリの記事
- ヘルシンキのエストニア人幼稚園 - Eesti lasteaed Helsingis(2012.10.01)
- ロシア語系住民の社会融合 - lõimuma(2012.03.22)
- 学校の先生たちのスト - Õpetajad streigivad(2012.03.07)
- 学校をサボる生徒の親に罰金 - koolist põhjuseta puuduma(2011.12.16)
- ロシア語系学校の抵抗 (2) - üleminek eestikeelsele õppele(2011.12.12)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント