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原子力発電所 - tuumaelektrijaam

 東日本大地震の特徴は,マグニチュード 9.0 という日本の歴史でおそらく最大の巨大地震であるということのほかに,津波による被害が大きいこと,原子力発電所が被害を受け,実際に被爆者が現れているということである。この問題には外国のメディアも注目しており,エストニアの新聞サイトにも,写真や動画つきで報道されている。

 記事: Jaapani tuumajaamas on eriolukord (E24 2011/03/11)
 記事: Jaapani tuumajaamas toimus plahvatus (Postimees 2011/03/12)
 記事: Video: Jaapani tuumajaam pärast plahvatust (Postimees 2011/03/12)
 記事: Fukushima tuumajaamas on üle kuumenemas ka kolmas reaktor (Postimees 2011/03/13)

 さきほどのニュースによると,福島第一原子力発電所の周辺からの避難で被曝した人は22人という。本当にこれだけで済んだのかどうかはわからないし,他の発電所の被害も同じ方向に進んでいるのかどうかもわからない。爆発の白煙が上がっている映像が外国の通信社の提供でウェブ上で公開されれている。日本のニュース・メディアでは見ていない映像だった。頻繁に行われている政府の記者会見での説明は「そうだったかというと,必ずしもそうとは言えないが,その可能性が否定出来ないので,慎重に対応している」的で,何度聞いてもちっともわからない。

 こういったニュースを聞いてエストニア人が思い出すのは,1986年に当時のソ連のウクライナ北部で起こったチェルノブイリ原子力発電所事故だ。日本人もこの事故を思い出す人が多いと思う。このときは放射能汚染物質がバルト海の沿岸まで風で運ばれた。当時エストニアでは,放射能に汚染された牛乳がエストニアに運ばれてきて,代わりに安全な牛乳がエストニアから運ばれているなど,さまざまな「噂」がささやかれたり,ガイガーカウンターを持ってきてくれと国外の知人に頼むエストニア人もいた。フィンランドでも高い放射能が測定され,たとえば,放射能に汚染された苔を食べたトナカイの肉には高濃度の放射能が蓄積されているから避けたほうがいい,というような話がフィンランドでは聞かれた。

 チェルノブイリの原発事故の話は,ソフィ・オクサネンの小説「粛清」の中にも出てくる (フィンランド語原書 p.212-217; 英語訳 p.217-222)。結婚してフィンランドに住む娘の Talvi が主人公の Aliide に電話をしてくる。

"Kas sul joodi on?" (お母さん,ヨウ素剤ある?)
"Ei ole." (ないよ。)
"Ukrainas plahvatas tuumareaktor." (ウクライナで原子炉が爆発した。)
"Ei plahvatanud." (爆発なんかなかった。)
"Plahvatas küll. Soomes ja Rootsis mõõdeti hästi tugevat kiirgust. Tšernobõlist. Teile pole muidugi midagi räägitud." (それが爆発したのよ。フィンランドやスウェーデンでは高い放射能が測定されてる。チェルノブイリから来たもの。もちろんお母さんたちは何も知らされてない。)

 今回の災害は,予期できないことばかりだが,10mの防波堤を乗り越えるような津波を予期できなかったのと,原発の安全性に関して,想定の範囲を超えていたのとではずいぶんと違うのではないか。エストニアでも原子力発電所の建設が話題になってきたが,反対意見が強まるだろう。

原子力発電所  tuumajaam, tuumaelektrijaama
非常事態     eriolukord
状況,事態    olukord
深刻な       tõsine
冷却システム  jahutussüsteem
事故        avarii
働き始める    tööle hakkama
任務を果たさない oma ülesannet mitte täitma
爆発        plahvatus
破壊される    hävima
原子炉       reaktor
冷却水       jahutusvesi
蒸気        aur
圧力        rõhk
上昇する      tõusema
放射性汚染    radioaktiivne saaste
避難する      evakueerima
ヨウ素,ヨード   jood
太平洋       Vaikne ookean
部分的に不正確な kohati ebatäpne
原発から半径20km以内で tuumajaamast 20 kilomeetri raadiuses

福島第一原子力発電所
Fukushima 1. tuumajaam.

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コメント

おっしゃる通り。政府の会見は、ちっともわからない。大変だとは思いますが、頑張ってほしいです。

投稿: D1994 | 2011/03/14 00:36

日本はたいへんな事になりましたね。NY タイムズのサイトには,放射能蒸氣が発生する現象は数週間か,数ヶ月続くのではないかと,日米の専門家が言っているとあります。はっきり知らされるのが必ずしもいいとは限らないかもしれません。

[...] experts in Japan and the United States say the country is now facing a cascade of accumulating problems that suggest that radioactive releases of steam from the crippled plants could go on for weeks or even months. http://www.nytimes.com/2011/03/14/world/asia/japan-fukushima-nuclear-reactor.html?_r=1&ref=global-home

投稿: ブログの主 | 2011/03/14 14:22

はっきり知らされるのが必ずしも良いとは限らないというのには同意です。しかし、知らない間に被爆している、なんてことが起こってしまうのもどうかと思います。
政府には、将来のことも考えつつ、混乱やパニックを最低限におさえ、一刻も早く被災者が普通の生活を送れるよう努力してもらいたいです(すでにしていると思いますが)。
そこで、私たち個々人ができることは小さいですが、募金や節電など、みんなが協力すれば、この危機も乗り越えられると信じています。

投稿: D1994 | 2011/03/15 00:46

ネットでも募金が始まってますね。クレジットカードで落とす方式がもっとも手間がかからないのでさっそくお金を送りました。

一方で,都内でも,ガソリンや米などの買いだめを始めた人たちがいます。目先の利益で動き始める人たちがもう出てきたようです。

投稿: ブログの主 | 2011/03/15 01:06

私も昨日、街で募金をしました。しかし、募金を装った悪質な人間もいるようなので気をつけたいですね。
そちらも大きな問題ですね。人々が買いだめを始め、スーパーやコンビニはまるで空の倉庫のよう、ほとんどの商品が供給不足または品切れの状態でした。そのせいで、生活必需品も手に入りにくくなっていますが、被災地の方々と比べると、まだまだちっぽけなことだと思います。
ところで、東京電力の、計画停電のぐだぐだには振り回されませんでしたか。

投稿: D1994 | 2011/03/15 01:31

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