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知っていながら目をつぶる - eirama

 日本の原子力行政の担当者たちは,福島原発の危険性を承知のうえで,そのことに目をつぶり,国民には知らせず,また適切な対策をとろうとしなかったことが資料から裏付けられることを,英語のメディアが報道し,それがエストニアでも伝えられている。

 記事: Leht: Jaapani võimud eirasid teadlikult ohte vanades tuumajaamades (E24 2011/03/23)
 記事: Japan Ignored Warning of Nuclear Vulnerability (Wall Street Journal 2011/03/23)

 エストニアの Postimees 紙が引いているのは Wall Street Journal 紙の記事。技術的な話なので,的確に理解できたのかどうか自信がないのだが,どうやら,今回の地震と津波で電気が切れて動かなくなった冷却装置とは別の原理で動く冷却装置になっていれば,電気がなくても動いたはずで,あるいはこれほど深刻な事態にはならなかった可能性もあるというようなことが書いてある。

 福島原発の原子炉は,1号機の1971年を筆頭に,2~6号機もすべて1970年代に運転開始したもので,すでに原発施設そのものの耐用期限が過ぎていて,まれにしか報道されなかっだけで,このところ頻繁に深刻な故障や事故を起こしていたらしい。また, New York Times 紙の記事によると,地震の数週間前には,東京電力に対し,福島原発は安全であり,原子炉の運転期間を10年間延長してよい,とする営業許可が下りていたというから驚く。

 原子炉というのは,運転と止めたあとも,解体できないので,ずっと冷やし続け,放射能が漏れないように監視し続けなければならず,使わなくなったあともたいへんな費用が長期的にかかるらしい。つまり,経営的に言えば,放射能が漏れる事故が「多少」起こっても,運転し続けたほうが電力会社には得になる。しかし,本来,細心の注意を払って管理してはじめて安全といえる設備や施設で,お金がかかるからという理由から,不可欠な修理や保全をふだんからきちんとしてこなかったらどうなるか,結果は明らかだ。これまでたまたま大事故が起こらなかっただけと思ったほうがいいようだ。

 「知らぬが仏」という。原子力発電所に関する限り,私たちはこのことわざの通りに暮らしてきた。国語の先生はそう読むのは文法的には間違いだというだろうが,万一,このことわざが「知らないでいるとあの世に行って仏様になってしまう」という意味に変わったら,もう手遅れである。

 今回の原発事故が起こって,私たちは,原子力発電所は建設するにしても,事故をおこさずに操業するにしても,古くなって廃業するにしても,膨大な費用がかかる施設であることを改めて思い起こしたが,いったん事故がおこったら最悪の場合は収拾ができなくなる可能性がついてまわることをすっかり忘れて,安全神話を信じ込んでいたつけは大きい。事故現場から数百キロ圏内の環境が放射能に汚染され,そこに住むわれわれ住民は,これから先自分たちが受けるだろう健康の被害の恐怖に怯え続けなければならない。

 文科省は,これを機会に,ろくに英語のできない小学校の教師たちに,英語の早期教育という名前の茶番を演じさせるようなことをやめて,日本の未来をになっていく子どもたちが,放射能の危険がいっぱいの環境の中で,どう生きていけばいいのかを考えることができるようなカリキュラムの準備を始めるべきだ。

 関連記事: Japan Extended Reactor’s Life, Despite Warning (New York Times 2011/03/21)
 関連記事: Japan Plant Had Troubled History (Wall Street Journal 2011/03/22)

日本政府関係者 Jaapani võimud
看過する,無視する eirama, ignoreerima
承知の上で    teadlikult
危険        oht
原子力発電所  tuumajaam
冷却技術     jahutustehnoloogia
導入する     kasutusele võtma
回避する     ära hoidma
弱点        haavatavus
将来        tulevikus
建設する     ehitama
原子炉      tuumereaktor
政府        valitsus
企業        ettevõte
原発の営業会社 tuumajaama operaator
調査する     uurima

Videokaader sellest, kuidas Jaapani sõjaväekopter Fukushima reaktoritele vett heidab.

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コメント

ここでもまた、日本のメディアが報道しないことを、外国のメディアに報道されてしまいました。
それより、原発を設計する、原発の安全性を認め営業許可を出すなどの段階で、本当に適切な基準が設けられていたのでしょうか。
私たちが住む、地震大国日本。この国は、昔から地震とともに暮らしてきたわけで、他の国と比べても、地震に関するデータや地震研究は、すぐれているはずです。
それだけでなく最近では、日本は言うまでもなく他の国でも、大震災と言える大きな規模の地震がいくつか起きています。
それらを含め、日本や他の国々が経験した数多くの地震が引き起こした被害や影響から学び、もう一度、原発の安全性について考え直しておくべきだったのではないでしょうか。

投稿: | 2011/03/24 19:47

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