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黒海とバルト海 - Must meri ja Läänemeri

 エストニアが話題になるのはいいのだが,とんでもない勘違いの情報はあまりうれしくないことがある。バルト海と黒海をとりちがえたニュースサイトがあることに気づいた。

 参考ページ: 黒海を渡る「氷上道路」,開通期間は天候次第 エストニア (AFP BBNews)

 見出しを見て,あれ変だな,と思って,本文にアクセスしたら,こう書いてあった(2011/02/21 14:16)。

 【2月21日 AFP】エストニアで19日,黒海(Baltic Sea)上に張った氷の上を通る全長26キロメートルの自動車道が開通した。

 話題の氷上道路は,ヨーロッパで最長の氷上道路ということで話題になったらしいが,正式に通行許可がでる数日前から,すでに車が通行していたらしい。

 記事: Galerii: Hiiumaa ja mandri vahelise jäätee ettevalmistus (Postimees 2011/02/18)

 「黒海」とされたのは,たぶん,英語の Black Sea と Baltic Sea がよく似ていることからきた勘違いだろうが,いくらなんでも,保養地として有名なソチのある黒海に厚い氷を張らせるのは無理だということに気づいてほしかった。

 折角だから,色の名前のついた海のエストニア語名を復4つ思いついたので,英語名も添えておく。

  Must meri ─ 黒海 (Black Sea)
  Valge meri ─ 白海 (White Sea)
  Punane meri ─ 紅海 (Red Sea)
  Kollane meri ─ 黄海 (Yellow Sea)

 バルト海はエストニア語では「西の海」と呼ばれる。エストニア語で方角が名前についている海は,もうひとつ思いついた。

  Läänemeri ─ バルト海 (Baltic Sea)
  Põhjameri ─ 北海 (North Sea)

 地理に自信のない方は,私がしたのと同じように,世界地図を開いて確認していただきたい。緯度から考えて,この6つの「海」のうち,車が走れるくらいに厚い氷が張るのは,バルト海と白海だけと考えられる。

 関連ページ: 氷上道路 - jäätee (2011/02/03)

 20年前,エストニアが話題になり始めたばかりのころは,こういった取り違えがいっぱいあった。某読売新聞が,エストニアの国会 Riigikogu リーキコク のことをセイマと書いていたので,編集部に電話して,ラトビアの国会と取り違えたのではないでしょうか,と指摘したら,うちには,東大や早稲田の出身でロシア語に堪能な記者がいるから,間違えるはずがないという。見事に的はずれな答だった。当時の私は東京外大の研究所に助手として勤務していたから,応答した男がたまたま東京外大を嫌っていて,東京外大の関係者に間違いを指摘されたくなかったのかもしれない。いずれにしても,その時点で,読売新聞はひとりの読者を失った。

 以来,NHKが「視聴者の指摘で間違いに気づいた」という文句を画面の下に流したり,新聞社が「読者から間違いを指摘された」と紙面の隅に書いても,まともに信じないことにしている。一般の視聴者や読者からの指摘で間違いをすぐに認めるなんて,およそ日本のマスコミらしくないからである。

Hiiumaa ja mandri vahelise jäätee ettevalmistus.

Hiiumaa ja mandri vahelise jäätee ettevalmistus.

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コメント

私にも同じような経験があるのでコメントさせていただきます。グーグルニュースで「エストニア」というキーワードで記事をたまに読むのですが、先月だったかTBS-iというTBSのニュースを流すページでエストニアがユーロ加盟というニュースがありました。読んでみるとエストニアがユーロ加盟を決意したのはリーマンショックで通貨クローンが暴落したからと書いてありました。これはテレビで放送された内容そのままらしいのですが唖然としました。エストニアクローンは再独立後最初はマルク、次はユーロにペグしたまま今回のユーロ採用に至ったというメールを書きましたが、反応はありませんでした。この記事は現在では消えていて読めません。BBCでは記事をずっとネット上に乗っけておくという話を聞きましたが、TBSはいい加減なニュースを流しては順次消して行くんだと思います。

投稿: nagatsu | 2011/02/24 04:31

エストニア・クローンは,まずドイツ・マルクとの交換レートが 1 DM = 8.0 EEKで固定されて導入され,ユーロがt登場すると,自動的にユーロとの交換レートが 1€ = 15.6466 EEK にきまって,そのままずっと固定されていたという基本的な事実さえ知らない人がニュースを書いているみたいですね。

ユーロ導入がきまったときの最大の関心は,1€=15.6466 EEK という交換レートがそのまま適用されるかどうかだったということは記憶に新しい。

いずれにしても,クローンがあぶなっかしい通貨だったら,エストニアのユーロ加盟はありえなかったということが常識でわかりそうな気がするんだけど。ギリシアなどがユーロ圏にとってお荷物になっているといったことすら把握できてないお粗末なレベルでもマスコミに就職できてしまうのかなあ (笑)

投稿: ブログの主 | 2011/02/24 08:28

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

投稿: 株の投資 | 2014/01/26 14:33

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