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エストニアと孔子学院 - Konfutsiuse instituut

 エストニアのサーレマーにあるクレサーレ高校 Kuressaare gümnaasium で,第3外国語としての中国語のコースが始まったということを以前話題にした。

 エストニアでの中国語教育は,大学レベルだけでなく,高校レベルでも,タリン大学にある孔子学院 Konfutsiuse instituut (Confucius Institutes) にすべて委託して行われているらしい。今年の夏には,クレサーレ高校の何人かの生徒に,中国で開かれる夏季合宿 suvelaager に参加する機会が与えられるそうである。

 記事:
  Kuressaare õpilasi ootab suvelaager Hiinas (Postimees 2011/01/22)
  Konfutsiuse instituut toetab hiina keele õpetamist KG-s (Meie Maa 2011/01/22)
  Kuressaare gümnaasiumis hakatakse õpetama hiina keel (Meie Maa 2010/05/08)
 関連ページ: 中国語 - hiina keel (2010/05/24)

 孔子学院が中国語・中国文化の絵画での普及促進に熱心に取り組んでいるという話はよく聞く。このことについてイギリス系の The Economist 誌が面白い記事を載せている。これまで毛沢東の銅像しかなかった天安門広場に,なんと孔子の立像が建てられたというのだ。中国政府はいったい何を考えているのか。

 日本人の多くは,孔子の思想は,封建時代の支配者の政治哲学であって,進歩の反対,時代遅れの考え方の典型と思っているが,欧米では必ずしもそうではないらしい。ここに中国政府が目をつけて,孔子の哲学を隠れ蓑に,ソフトな印象を醸しだして,実は中国文化の積極的な輸出を行おうとしているのが見え見えだ,と思ってしまう私は疑り深い性格かもしれない。しかし,尖閣列島をめぐる一連の動き,あるいはノーベル平和賞に対抗する独自の賞の創設の時もそうだったように,対外的なことが民間レベルのイニシアチブで行われることがおよそありそうにない国である。孔子学院にしても,国策のためなら,何でも使ってしまおうという今の中国政府の意向を汲んだものと考えるほうがまともだろう。考えて見れば共産主義も人民支配の哲学のひとつだから,実は孔子の思想と相性がいいのではないか,などと考えてしまう私は,猜疑心が強すぎるのだろうか。

 記事: China's Confucius Institutes: Rectification of statues (The Economist 2011/01/20)

【附記】 天安門広場の孔子像が撤去されたらしい。 (2011/05/01)

 記事: China and Confucius: Sage move? In the night an old philosopher mysteriously vanishes (The Economist 2011/04/28)

夏季合宿  suvelaager
中国語   hiina keel
協力     koostöö
奨学金   stipendium
教材     õppematerjal
孔子     Konfutsius

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コメント

今、ロシア連邦の各地で、キリルとメフォディの像や、ロシア皇帝の像が作られています。ロシア連邦を「多民族国家」としておくのではなく、「ロシア文化によって結びつけられた諸民族の国家」としてキャンペーンしているのではないか、と考えています。ロシアも中国も発想が似ているように感じました。

投稿: papatanaka | 2011/01/25 10:22

ソ連時代と変わらない。そのころも,みんな,タタールのくびきの話や,ピョートル大帝の偉業の話を「祖国」の歴史として教えられ,プーシキンを暗記させられたんじゃなかったっけ。 ピョートル一世は歴史的には,バルト・フィン民族の居住地域だったバルト海沿岸を荒らした張本人だから,エストニア人たちはちっとも「祖国」を好きになれなかった (笑) タタール人も面白いと思って来なかったと思う。今後どうなるのかな。

投稿: ブログの主 | 2011/01/25 11:05

そうですね、そういう意味では、ソ連崩壊後、ある程度民族自決ムードが高まったり、実際に民族文化の復興が進んだことに逆行する?形で、あらためてロシア文化キャンペーンを進めているんじゃないかと思ってます。ソ連時代はないがしろにされていたロシア正教会を復興させ、政府がそれとの良い関係を示すことで、統一ムードを演出するというのはエリツィンがやっていたことですが、やっぱり正教では限りがあったんでしょう。

そういえば、ヨシカル・オラにはクレムリンが出来ました。ツァレボコクシャイスク時代のものを再現したというふれこみですが、どうなんでしょうか?

Googleで「царевококшайский кремль」での画像検索結果 http://goo.gl/0fuFn

投稿: papatanaka | 2011/01/26 09:56

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