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ウナギ - angerjas

 日本のウナギは,日本列島や朝鮮半島をはじめ,東アジアに分布する Anguilla japonica (和名 ウナギ,英語 Japanese eel) という種らしい。学名通りには「ニホンウナギ」である。ウナギ Anguilla には,このほかに ヨーロッパウナギ Anguilla anguilla (European eel) とアメリカウナギ Anguilla rostrata (Americal eel)などとの種があるらしい。エストニアにいるのは,ヨーロッパウナギである。

 そもそもウナギを蒲焼以外で見ることがほとんどない人間なので,私にはエストニアのウナギも日本のウナギも見分けがつかない。Wikipedia によると,中国の養殖うなぎの2割はヨーロッパウナギだというから,私たちはおそらくヨーロッパウナギと知らずにその蒲焼を食べてきたはずである。私がエストニアでごちそうになったウナギは,塩で味付けした,いわゆる白焼きだった。ただし,エストニアには,ワサビ,大根おろし,ショウガ醤油といったものはないから,味気ない気がした。私の知る限り,エストニアではウナギの養殖はしていない。そもそもヨーロッパではウナギの養殖はしていないのではないかと思うが,詳しいことは知らない。

 ウナギ資源が減少したことを理由に,EUは今年 (2011) からウナギの輸出入取引を禁止することに決めた。しかし,ことエストニアのサーレマーに関するかぎり,すでにウナギは絶滅に近い状態で,この決定は遅きに失したというのが,地元の漁業関係者の見解である。

 サーレマーの漁師 Eino Ruttu によると,1990~2000年ころ獲れたウナギは平均で900グラムくらいの重さだった。それが,昨年のウナギの漁獲量は100キログラムに満たず,しかも獲れたウナギの平均の重さが 1540グラムだった。これは,若い魚がいなくなったことを意味するという。参考までに,昨年はウナギ1キロ300クローン程度で取引されたそうである。

 記事: Euroliidus kehtib 2011. aastal angerja ekspordi- ja impordikeeld E24 2011/01/19)
 記事: Angerja ekspordi-impordikeeld on kalurite arvates hiljaks jäänud (Meie Maa 2011/01/22)

 エストニアでは mõrd (フィンランド語 merta) と呼ばれる写真のような,円筒型で一方の底が閉じられている魚篭のような網にウナギを追い込んで獲るらしい。この漁法を日本語で何と呼ぶのか分からない。

 英語の weir やな (梁) を訳語にあてている辞書がいくつかあったが,やなとは明らかに違うもののように思われる。他方,ドイツ語の Reuse うけ (筌) をあてている辞書もある。Wikipedia で筌を調べてみると,うなぎうけ (鰻筌) という竹で編んだ筒のような籠があって,うなぎ漁に使われるらしい。ただし,鰻筌は一匹用のものだから,捕まえる原理は同じだが,mõrd とは少し違う漁法である。また,ビニールなどのひもで編んだ網を使うというから,材料も違う。この鰻筌の大型のものにウツボかごがあるらしい。何となくわかったような気になりかけたが,このウツボかごには,両方の底から魚が入ることができるのでやはり違う。

ウナギ     angerjas
禁止      keeld
漁師      kalur
時間に遅れる hiljaks jääma
ウナギ資源  angerjavarud
減少する   kahanema
禁止する   keelama
回復する   taastuma
サーレ県   Saare maakond
サーレマー  Saaremaa
重さ      kaal
漁業日誌   püügipäevik
獲物の量   kogus

Angerja saagi üle rõõmustavad Hillar Lipp ja Eino Ruttu kümmekond aastat tagasi. Foto: Irina Mäg

ウツボかご
ウツボかご

ヨーロッパウナギの分布
ヨーロッパウナギの分布

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