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インフラ - infrastruktuur ehk taristu

Üle 500 inimese nuputas presidendi üleskutsel sõnu, millega meie kaunist emakeelt rikastada. エストニアのイルベス大統領が8月,マスコミなどで頻繁に使われる,現代社会の重要な概念を表す外来語や翻訳語を10語ほど選び,簡潔なエストニア語の単語や表現による言い換えの新語を提案してほしいと国民に呼びかけ,応募用のウェブサイトを開設した。募集は10月上旬に締め切られ,応募者は593人,提案数は合わせて2123件だった。このほど,エストニア語研究所 (エストニアの国語研) の研究者などから構成される審査委員会が選んだ新語提案が公表された。

 記事には,言い換えが募集されたすべての語について,選考理由と,すべての提案一覧,最終的に選ばれた単語を提案した人の名前が載っている。その中から3つの概念について,エストニア語への言い換えとして推奨されることになった新語を話題にしてみる。

 日本語でインフラと呼ぶ概念 infrastructure は,エストニア語ではこれまで infrastruktuur と「カタカナ・エストニア語」が使われていたが,その代わりとして,今後は taristu の使用が今後は推奨される。この新語は,文法用語としてよく用いられる「構文」「構造」を意味する tarind と同じ語根 tari- に,集合体を表す接尾辞 -stu を付けて作られたものである。接尾辞 -stu は,たとえば vesi 「水」から vesistu 「水系」を作るときに使われる。

 日本語で「持続可能な」と訳されることが多い sustainable は,エストニア語では jätkusuutlik, säästev, elujõuline などのいくつかの表現が充てられていたが,今後は kestlik と言うことが推奨される。この形容詞は,「持続する」「継続する」という意味の動詞 kestma から作られた形容詞で,接尾辞の -lik は,たとえば,「できる」という意味の動詞 suutma から「能力がある」という意味の形容詞 suutlik を作るときにも使われている。kestlik は19世紀のエストニア語に同じ形の形容詞があったことが知られているので,一度廃れた単語が現代的な意味を与えられて復活することになる。

 日本語の人道支援にあたる humanitarian aid は,エストニア語では humanitaarabi と訳されてきた。この表現の前半は「カタカナ外来語」で,後半の abi だけが「助け」という意味のエストニア語である。今後は,前半もエストニア語に置き換えて toimeabi と言うことが推奨された。前半部の toime は,複合動詞 toime tulema 「やりくりする」に現れる副詞で,動詞 toimima 「機能する」の意味にも通じる意味をもつ。人道支援は,最低限の条件でもやりくりできない場合に受ける援助だから,toimeabi はぴったりの表現である。

 エストニア語大辞典の編集責任者の Margit Langemets さんも審査員に名を連ねているので,頻繁に更新が行われている大辞典のオンライン版に,今回採用されることが決まった新語が登録されるのは時間の問題だろう。

 記事: Sõnause võitis «taristu», «poliitikale» head vastet ei leitudki (Postimees 2010/12/02)
 記事: Sõnavõistlusel osalenud märkavad ilusat keelt (Postimees 2010/12/02)
 関連ページ:
 新語をつくろう - sõnaus (2010/09/22)
 持続可能な - jätkusuutlik (2010/06/18) - 人道支援 - humanitaarabi (2010/10/20)
 エストニア語の国語辞典 - Eesti keele seletav sõnaraamat (2010/10/29)

語,単語    sõna
告知する    välja kuulutama
コンクール   võistlus
参加する    osalema
提案       ettepanek
審査員     žürii
もの       ese
現象       nähtus
名付ける    nimetama
指し示す    tähistama
複雑な      keerukas
単語の組合せ sõnaühend
外来語     võõrsõna
混乱      segadus
多義性     mitmetähenduslikkus
概念      mõiste
新語      uudissõna
インフラ    taristu, infrastruktuur
~の代わりに kõrvale
全員一致で  üksmeelselt
語根      tüvi
派生させる  tuletama
構文,構造  tarind
組み立てる  tarindama
集合体,システム kogum
時代      ajastu
水系      vesistu
持続可能な  kestlik, jätkusuutlik
能力のある  suutlik
持続する   kestma
意味      tähendus
人道支援   toimeabi, humanitaarabi
必要最小限で,ぎりぎり hädapäraselt
やりくりする  toime tulema

taristu (インフラ) を考案して最優秀賞を受けた Andres Valdre さん
左がイルベス大統領 Toomas Hendrik Ilves,右がエストニア語研究所所長 Urmas Sutrup
Presidendi sõnavõistluse võitjate autasustamine. President Toomas Hendrik Ilves koos sõnause võitja Andres Valdre (keskel)ja võistluse komisjoni juhi, Eesti Keele Instituudi direktori Urmas Sutropiga.

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