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歌う革命 (3) - laulev revolutsioon

 英語では The Singing Revolution と訳されるエストニア語の laulev revolutsioon は,laulev が動詞 laulma 「歌う」の能動現在分詞なので,「革命が歌う」→「歌う革命」と訳すのが文法的に正しい。つまり,これはエストニア語的には Sleeping Beauty (眠る美女) と同じ文法をもつ表現である。

 歌う革命 laulev revolutsioon は,固有名詞的には,30万人が集まったとされる1988年9月の番外の合唱祭前後のできごとをさすが,広い意味では,その合唱祭をきっかけとして起こったエストニアのソビエト体制の崩壊までの道のりをさす。歌う革命を最初に日本で紹介したのは,私の知る限りでは,次の冊子本である。ペレストロイカ uutmine人民戦線 rahvarinne に関するこの著者の歴史的評価には異論があるが,当時の記録として貴重である。

 ・『歌いながらの革命
  著者:津村喬
  出版社:JICC出版局
  発売日:1989年7月

 というわけで,「歌いながらの革命」がもっとも最初の日本語訳である。でも,「歌う革命」が最初に活字になったのもかなり早い時期 (1990年2月) であることを強調しておく。

 ・松村一登「エストニア語-『歌う革命』 の担い手」 [『朝日ジャーナル』 第32巻7号, 1990.2.23; 『世界のことば』 朝日選書 (1991), p.436 所収]

 私が「歌う革命」としたのは,このほうが短いし文法的にも正しいというのが理由の1つであるのは事実だが,当時テレビで人気のあった「笑ゥせぇるすまん」というアニメのタイトルがひどく気に入っていて,それをまねしてみたくなったというのも理由のひとつだったという記憶がある。

 ところで,このできごとの日本語名がもうひとつ加わった。「歌の革命」である。この言い方をしているブログの主の方は,影響力のある方らしいから,「歌の革命」が今後は勝手に歩き始めるかもしれない。

 吉原真里: エストニア 歌の革命

 老婆心だが,紹介されているDVDを日本の Amazon から購入する際には,リージョンコードが1(北米用)であることにご注意されたい。日本向けのものではない

 歌う革命については,映像のことも含めて以前書いたので,よかったらDVDを購入する前にお読みいただきたい。よそには書いてない情報が少し得られるはずである。

関連ページ:
 歌う革命 (2) - laulev revolutsioon (2010/09/05)
 歌う革命 - laulev revolutsioon (2010/04/05)

【更新履歴】 朝日ジャーナルのコラムのことを加筆 (2011/02/03)

Singing Revolution. DVD.

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