Uターンのすすめ - tagasi meelitama
エストニア商工会議所 Eesti Kaubandus-Tööstuskoda は,イルベス大統領を後援者として迎えて,«Talendid koju» (才能を祖国へ) というプロジェクトを立ち上げた。海外で研究する優秀なエストニア人の人材をエストニアに呼び寄せ,祖国で活躍してもらうおうという国家的なプロジェクトである。大統領みずからの呼びかけの映像が YouTube にアップロードされている。
1600人を対象にした世論調査では,次のような答えが得られたというから,86%のエストニア人たちは海外に散らばっているエストニア人の優秀な人材のUターンに対して,おおむね好意的だと見てよさそうだ。プロジェクトで海外のエストニア人に対して行ったアンケートでも,89%からエストニアへの帰国に興味があるという回答を得たという。
57.9% 移民に期待する代わりに,海外にいるエストニア人たちに帰国を促すべきだ
28.2% 海外にいるエストニア人たちの経験と知識をエストニアは必要としている
10.6% 海外のエストニア人のことより,国内の失業者のことをまず考えるべきだ
3.3% 海外のエストニア人を呼び戻す必要はない
タルト大学の創立記念日の記念講演のために母校を訪れたヘルシンキ大学生命工学研究所の所長 Mart Saarma 教授は,エストニアTVのインタビューの中で,同プロジェクトについて「すばらしいアイデアだが,研究者の少ない分野では,エストニアに戻ると仲間がいない孤独な研究者生活になるおそれがあり,帰国がむずかしい人もいるだろう。また,博士号を取得したばかりの若い人材の中には,しばらくは海外で修行した方がいい人たちもいる」と述べている。また,あなた自身は帰国をどう考えるかという質問に対する答えは「これは女性に対する結婚のプロポーズと同じで,まず,誰かからぜひ来てほしいという申し入れがあってからでないと答えられません」という回答だった。
考えてみれば,生まれはエストニアではないとは言え,イルベス大統領自身が,アメリカ合衆国から祖国に戻ってきた優秀な人材のひとりと言っていい。
映像: Vabariigi Presidendi Toomas Hendrik Ilvese pöördumine portaalile "Talendid Koju!" (YouTube, 2010/10/04)
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