森林 - mets
国土のうち,森林によって覆われている面積の割合を森林率という。エストニアの国土の森林率は55%,EU諸国の中では,フィンランド(68%),スウェーデン(66%),スロベニア(64%)についで4番目に森林面積の割合が高い国である。EU諸国全体の平均の森林率は39%。
記事: Eesti on metsade osakaalult Euroopa tipus
日本の国土の森林率が66%で,北欧諸国並みに高く,世界のトップ水準にあることは意外と知られていない。
参考: 日本の森林面積と森林率
森林率の高さにもかかわらず,日本の国土が自然が少ないように感じるのは,森林率の他に,耕地化された面積,さらには,人が居住している面積の割合などが,ヨーロッパに諸国と比べて非常に高いからである。参考までに,EU諸国の平均の国土の耕地化率は43%,エストニアは27%,住宅におおわれている面積はEU諸国の平均が8%,エストニアは11%である。日本についてはわからないが,耕地化されたり,住宅地化されたりしている国土の割合は日本では,ヨーロッパ諸国よりはるかに高いはずである。
実際に行って見ればわかることだが,エストニア人の身近にある mets は,いわゆる森だけではなくて,林,それも雑木林のような場所まで含んでいる。さらに,エストニア語の mets は,日本語の山林・森林も含んでいる。「山火事」ということばからわかるように,山林・森林は日本古来のことばでは「山」と呼ばれてきた場所でもある。いずれにしても,林や森は比較的局地的な現象であって,広大に広がる場合は森林や山林と呼ぶほうがぴったりする。また,山林地主が所有しているのは「山」であって,ふつう「林」や「森」とは呼ばない。
参考までに,エストニア語の mets がカバーしている日本語の単語の意味を国語辞典で調べてみた。
はやし【林】木がたくさん集まって生えている所。(岩波国語辞典); 樹木の群がり生えている所。(日本国語大辞典)
もり【森】木がたくさん生え茂っている所。#本来は(神社など)神が下りる神聖な場所。一般には、林よりも木深(こぶか)い場合に言う。(岩波国語辞典); (1)神社などのある神域で、神霊の寄りつく樹木が高く群がり立った所。(2)樹木が多くこんもりと茂った所。(日本国語大辞典)
やま【山】特に植林地、伐採地としての山林。種々の産物を得たり、狩猟したりするための山林。(日本国語大辞典)
参考: 隣国の山火事 - metsapõleng (2010/08/06)
参考: 山火事 - metsatulekahju (2010/06/04)
林,森林 mets
割合 osakaal
国土 territoorium
面積 pindala
覆う katma
土地の利用 maakasutus
農業 põllumajandus
耕地 haritud põld
居住する asustama
人が住む地域 asustatud ala
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