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新人作家デビュー - Katrina Kalda

 エストニア人の女性作家というと,19世紀の詩人リーティア・コイトラ Lydia Koidula (1843-1886) 以外は,国外ではほとんど知られていない気がする。今年になって,スターが登場した。パリでエストニア現代文学について博士論文を執筆中の Katrina Kalda カトリナ・カルタ,若干29歳の女性である。

 記事: Katrina Kalda, uus Sofi Oksanen? (カトリナ・カルタ 次のソフィ・オクサネンか)

 フィンランドのオクサネン Sofi Oksanen の「粛清」(Puhdistus / Puhastus / Purge) が,今年フランスの文学賞を複数受賞したあとだから,エストニアに対する関心がフランスでとくに高くなっているという背景もあるかもしれないが,作家としてのデビュー作がフランス語で書いた小説で,しかも出版社が有名な Gallimard ガリマール社,4000部刷られたというから,文句なくすごい。フランス語のサイトにアクセスしてみた。

 索引の簡単な要約: Un roman estonien de Katrina Kalda [Premiers romans]
 比較的詳しい書評: Le roman estonien de Katrina Kalda. Par Tristan Savin, publié le 09/09/2010 à 10:30 (L'Express)
 小説の書き出し部分の抜粋: Les premières pages d'Un roman estonien par Katrina Kalda (L'Express)

 私の錆び付いたフランス語の知識ではきちんと訳せないので,紹介文をフランス語のまま引用しておく。オクサネンの小説とは違って,登場人物たちは知識人で,舞台もエストニアだけのようである。

Résumé du livre
  1994. À Tallinn, Estonie, ex-république soviétique, depuis peu redevenue indépendante, August, un jeune homme introverti, rencontre Eerik Pall, homme politique et grand industriel, qui le fait entrer au journal Tänapäev. Sommé d'écrire un roman-feuilleton patriotique se déroulant à la fin des années 1980, August crée le personnage de Théodore, un étudiant engagé dans la dissidence antisoviétique. Épris de Carlotta, réplique littéraire de Charlotte, l'épouse d'Eerik, Théodore, le jeune héros, finit par se révolter. Il prend à son tour la plume pour révéler les secrets de son créateur et les dessous de l'Histoire officielle.

 参考までに,簡単な書誌情報は次の通り。小説のタイトルは日本語に訳せば「ひとつのエストニア小説」である。

Katrina Kalda: «Un roman estonien» Paris, Gallimard 2010, 196pp.

 フランスというと,エストニアとは関係が薄いように思う人も多いかもしれないが,パリは,エストニア人の亡命文学者が住んでいたりしたこともあって,エストニアの文学に関心をもつ人たちが少ないながらもいる街だ。最近,エストニアの文豪と言われるタンムサーレ A. H. Tammsaare (1878-1940) の大作「真実と正義」のフランス語新訳が出されたばかりである。また,来年の秋には,パリでエストニアの文化をテーマとする大がかりなイベントが企画されているようだ。

 参考: エストニア文学の巨匠:A・H・タンムサーレ (2010/01/20)
 参考: エストニア語の文学

Prantsusmaal elava eestlannast kirjaniku Katrina Kalda debüütromaan «Un roman estonien» jõuab eesti lugejateni loodetavasti kevadel.

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