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ロシア人の人権 - inimõigus

 2007年4月27日~28日に起こったタリンでの騒擾事件,いわゆる「ブロンズ兵士像事件」に関して,7人のエストニア在住ロシア人から出されていた人権侵害の訴えのすべてに対し,欧州人権裁判所は,却下,またはエストニアの司法機関への差し戻しという判断を全員一致で下した。早い話が,欧州人権裁判所は,エストニアの警察・司法当局の正当性を認め,7人の訴えを事実上相手にしなかったことになる。

 記事: Euroopa inimõiguste kohus ei andnud pronksiööl kinnipeetutele õigust

 原告の7人のロシア人のうち,3人がエストニア国籍,2人がロシア国籍,2人が無国籍である。訴えの内容は,逮捕時に不当な暴力的扱いを受けた,エストニアの司法当局が彼らの訴えを正当に取り上げなかった,自由の剥奪は違法である,当局は彼らがロシア人であることを理由とする差別を行った,などだった。

 関連ページ: 騒動 - rahutus (2010/04/28)
 関連ページ: 兵士アリョーシャと美女アニュータ (2009/11/08)

 参考までに Wikipedia によれば,欧州人権裁判所はフランスのストラスブールに置かれている。以下,Wikipedia からの引用である。

・被告は欧州評議会加盟国のみである。つまり加盟国の公権力による人権侵害事件のみが対象となる。原告は個人,個人のグループ,団体,国家が提訴できる。

・個人やNPOも加盟国の人権侵害を訴えることができるが,当該国ですべての法的手段を尽くしていることが求められる。つまり,当該国の最終審でも救済されなかった事件のみを扱う。最初から当該国裁判所を無視して人権裁判所に提訴することはできない。

・欧州人権裁判所は人権問題に関する限り,フランスの破毀院やドイツの連邦憲法裁判所といった,日本で言えば最高裁判所の判決さえ覆すことのできる国際裁判所であり,その判決が欧州加盟各国に与えた影響は甚大なものがある。

人権     inimõigus
権利,正当性 õigus
裁判所,法廷 kohus
欧州人権裁判所 Euroopa inimõiguste kohus cf. European Court of Human Rights
ブロンズ像事件 pronksiöö
逮捕者    kinnipeetu
逮捕する   kinni pidama
訴える    kaebama
原告     kaebaja
暴力     vägivald
市民     kodanik
国籍のない  kodakondsuseta
民族的出自  etniline päritolu
自由     vabadus
不法な    ebaseaduslik
恣意的な   omavoliline
嫌疑をかける kahtlustama
全員一致で  ühehäälselt

Viru tänav (2007/04/27-28)
Pronksrahutused Viru tänaval.

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