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偽装結婚 - fiktiivabielu

 よりエストニア語的には võltsabielu という言い方もあるようだが,fiktiivabielu のほうが圧倒的によく使われる。参考までに,Google 検索するとヒット件数で 150 : 9170 くらいの違いがある。

 キプロスで,エストニア女性が組織的な偽装結婚に関わっている疑いがあるという。彼女たちの結婚相手は,キプロスに難民として滞在しているナイジェリア,パキスタン,バングラデシュなどの国籍の男たちであることが多いという。キプロスはシェンゲン協定に参加していないため,この国に入国しても,他のEU諸国にそのまま移動することが出来ない。そこで,EU諸国の白人系の女性との結婚を画策すると言われる。

記事: Eesti naised sõlmivad välismaal kahtlasi abielusid (Postimees 2010/02/27)
記事: Fiktiivabielud immigrantidega hullutavad Eesti naisi (Postimees 2010/10/13)
記事: "Pealtnägija" paljastas fiktiivabielude tagamaid (ERR 2010/10/13)

 偽装結婚をするエストニア人女性のタイプは大きく2つに分けられるという。第1のタイプは,30~40歳代のすでに結婚歴,離婚歴のある女性である。35歳の女性が,突然,ナイジェリア出身で19歳の難民の男と結婚したというようなケースが典型である。もう1つのタイプは,1980年代末~1990年代初めに生まれた,結婚年齢に達した直後の若い女性で,この場合,エストニア語系,ロシア語系のどちらもいるという。結婚に承知して契約書にサインすると,1000~2000ユーロという (エストニア的には) 多額のお金が支度金として支払われるため,多重債務に悩む女性が申込むケースも少なくないらしい。

 すべてのケースでエストニア人女性たちが「被害者」かというとそうともいえないようだが,実際にエストニアに逃げ帰った女性たちがいて,実態が明らかになりつつあるようだ。エストニア国内に,偽装結婚を斡旋する組織もあるようだ。妻が急にキプロスに行ってしまい,子どもと一緖に残された父親のインタビューもテレビ番組では紹介されており,女性が被害者というだけではすまない社会問題になっていると見たほうがよさそうである。なお,人数的には,ラトビア人女性のこういった偽装結婚のケースはもっと多いという。ただし,ラトビアの人口はエストニアの1.5倍以上ある。

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