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とってもディープなカフェ - ????

 タリンで合唱団に属している,あるいは,音楽学校で合唱の勉強をしている日本人女性 (たぶん) のブログを見つけた。エストニアの風物を写した興味深い写真がたくさんあって,お店の食品売り場もふくめ,エストニアのあらゆる場所の写真が見られるユニークなブログサイト。手始めにこんなページからどうぞ。

 ディープな旧市街 (カフェ・イート)
 老女の夏

 以下は私の個人的な感想。ブログの主は,表題のような表現を使うとても若い世代の方のようである。このカフェが,どういうカフェなのか検討がつかない私は,Vanalinn のどこかの建物の地下にあるそうだから,深いところに下りていったところにあるカフェという意味かな,でもそれにしては変な言い方だが,いきなり目が疑問符で一杯になった。

 「カジュアルで安くて早くて美味しいディープなエストニアを再発見」とブログの主の女性が書いているので,「ディープな」は最上級のほめ言葉かなと思ったら,必ずしもそうでもないらしい。ある人の説明によると,「ディープな」は「マニアックな」「個性的な」「人を選ぶ」「一般受けしない」という意味合いなのだそうである。したがって,「とってもディープなカフェ」というのは「誰にでも勧められるカフェではなく,ある特定の嗜好を持った人にだけ人気があるカフェ」という意味で,そうとういかがわしい場所である可能性を排除できない。となると,失礼かもしれないが,もしかすると,このカフェを気に入る人は相当「個性的な」人である可能性が出てくる (う~ん)。同じ意味で,私のこのブログもたぶん「とてもディープなブログ」というふうに形容できるのではないかと思われるが,適切なことば使いかどうか自信がもてない。

 「老女の夏」はエストニア語の vananaistesuvi で,これはドイツ語の Altweibersommer がそのまま翻訳されてエストニア語に入った単語である。ドイツ語の辞書では「小春日和」と訳されている。小春日和というのは,小春 (旧暦10月,新暦11月) の時期に現れる夏を思わせる暖かい陽気のことだから,かなりぴったりする訳語ではないかと思う。でも最近は「小春」を春と勘違いして,2月ころの春の陽気を思わせる暖かい日を小春日和と考える世代も増えてきたようなので,ぴったりした現代日本語訳かどうか,いささか心配にならないこともない。

 参考までに,エストニア語は vana 「古い,年寄りの」+ naiste (naine 女性の複数属格形)+suvi 「夏」,ドイツ語のほうも対応させて alt + Weiber + Sommer というふうに分けて考えると理解しやすくなる。

 北米で Indian summer と呼ぶのが,時期的にも現象的にも,これに対応することばらしく,英和辞典も「小春日和」を採用している。オックスフォード大辞典に,くわしくいろいろ書いてあるので参照されたい。なお,Indian は Native American と言い換えるのが現在としては politically correct のはずだが,さすがにそこまでうるさく言う人はいないようだ。

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コメント

ロシア語では、бабье лето(бабаーおばあちゃん の 夏) と言います。

ディープなブログもご紹介いただいて、ありがとうございました。

投稿: papatanaka | 2010/09/07 14:56

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