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エストニア産のソバ - eestimaine tatar

 エストニアでもソバが店頭から消え始めたという報道を話題にした。こういう事態になって,エストニア人の間でソバに対する関心が急に高まっているようだ。

 ソバがシベリアからエストニアにもたらされたのは18世起のことだそうだ。エストニアで食べているソバは韃靼(だったん)種と呼ばれる種類で,日本で食べている普通種とは味も若干違う。韃靼そばは日本でも栽培されていて,にが蕎麦などという商品名で売られているが,量が少ないので,ふつうはあまり出会うことがない。

 エストニアのソバは,ウクライナやリトアニア,ポーランドなどからの輸入物である。エストニア国内でもソバが栽培されているのか,これが長い間の疑問だったが (という程には真剣に明らかにしようとしていたわけではない),実際に栽培されていることがわかった。15 ヘクタールの畑でソバを栽培しているという農場主がエストニアのテレビに出演したからである。ラプラ県 Raplamaa の農家 Janek Kuusik さんである。

 エストニアでは,ソバは,6月の夏至の前に種をまくと7月の中旬には花が咲くくらいに育ちが早く,1ヘクタールあたり2~5トンのソバの実が収穫できる。ソバが店頭から消えつつあるという報道がされたあと,このソバ栽培農家には電話が頻繁に掛かってくるようになったという。

 現在,店頭では,外国産のソバが1キロ19クローン前後,エストニア産のソバは1キロ26クローン程度で売られているようだ。外国産のソバは一度熱処理してあるが,国産のソバはそれをせずに出荷されるという。エストニアテレビによると,世界のソバ生産高が一番多いのは,ロシアで,次いで中国,ウクライナ,フランスの順だそうである。

 記事: Tatrakasvataja: eestimaine toodang on parem (Postimees)
 記事: Tatrakasvataja: eestimaine toodang on parem (ERR)

 参考までに,エストニア語でソバを意味する tatar の語源はくわしく知らないが,タタール人(韃靼人)を意味する tatar とよく似ている。「よく似ている」という言い方をするのは,主格形は確かに同じだが,活用が違うからだ。食べる tatar は,属格 tatra,分格 tatart と活用するが,民族名の tatar は,属格 tatari, 分格 tatarit と活用する。

 タタールには Tatar と並んで Tartar という形がある。ヨーロッパの古い地図に,現在のタタルスタン(タタール共和国)のあるボルガ川中流域に Tartaria (英語 Tartary) と書いてあるのをよく見かける。タルタルステーキ,タルタルソースの「タルタル」はフランス語でタタール人を意味する形容詞 tartare に由来しているそうである。

 参考: http://sipsik.cocolog-nifty.com/eesti/2010/02/--tatar-d339.html (2010/02/14)

ソバ栽培農家 tatrakasvataja
ソバ      tatar
外国産の   välismaine
エストニア産の eestimaine
生産      toodang
農場,農園  talu
茶色の     pruun
頻繁になる  sagenema
通話      telefonikõne

エストニアで育ったソバ
Tatar01 Tatar02

エストニアで育ったソバ (実を付けている) - エストニアでソバを栽培する Janek Kuusik さん
Tatar03 Tatar07

エストニア風のそばがゆ
Tatrapuder

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