« 病気 - haigus | トップページ | 設立する - rajama »

パン - leib

 エストニア出身の把瑠都の大関昇進が決まったことを伝えた読売新聞の英語版 Daily Yomiuri Online の記事を,エストニアの新聞 Postimees がほぼそのまま伝えています。父親が亡くなった後,3人兄弟が母親の手で育てられたことなど,いずれ,把瑠都が横綱になったら小説になるかもしれないエピソードがいくつか書いてあります。興味のある方は,ぜひ記事をお読み下さい。

 記事: Mom confident son can be yokozuna (Daily Yomiuri, Apr 1)
 記事: Baruto ema Jaapani ajalehele: pojast saab yokozuna [把瑠都の母親が,息子は横綱になると日本の新聞に語る]

 さて,私がとくに興味をもったのは次の箇所です。

 Ta helistas ja ütles, et igatseb rukkileiva ja teiste meie söökide järele.
 息子は電話をしてきて,ライ麦パンや,他のエストニアの食事がなつかしいと,言っていた

 日本でパンと呼んでいるものは,エストニア語ではふつう sai と呼ぶ「白パン」あるいは「小麦のパン」です。ライ麦パンは,本当に黒いので「黒パン」と呼んでいいと思います。このライ麦パンはエストニア語で leib と呼ばれ,エストニア人にとってパンと言えばまず真っ先に思い浮かぶのが,この黒パンです。日本の大きなマーケットでも,最近はライ麦入りの食パンを売っていたりしますが,あればエストニア的にみれば,leib ではなくて sai になります。

 エストニアの料理は何かと聞かれます。パンは料理ではないけれど,ライ麦の黒いパン leib は,もっともエストニア的な食べ物のひとつだと思います。また,黒パンが,エストニア人の食生活の中心的な位置を占めていることは,leib が食物の総称として用いられることに象徴的に示されています。ちょうど,「ご飯」「めし」が食事の意味で用いられたり (そろそろご飯/めしにしよう),「めし」が生計の意味で用いられたり (通訳で飯を食っている) するのとよく似た現象だと思います。

 細かい話ですが,エストニア語の lieb ということばは,ロシア語でパンを意味する хлеб, 英語でパンのひとかたまり a loaf of bread という時の loaf と同じ起源と言われています。辞書を引いてみると,英語でも方言では,パンのことを loaf と呼ぶそうです。

rukkileib

|

« 病気 - haigus | トップページ | 設立する - rajama »

料理・食文化」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/543873/48046662

この記事へのトラックバック一覧です: パン - leib:

« 病気 - haigus | トップページ | 設立する - rajama »