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歌う革命 - laulev revolutsioon

 「歌う革命laulev revolutsioon ということばは,エストニアにおけるソビエト体制の終焉の始まりを象徴的に表すできごとが,1988年9月にタリンで開催された合唱祭 laulupidu であったことに由来する。その日,会場の合唱祭広場 Lauluväljak に 30万人が集まったと言われている。

 参考: 「エストニア語-『歌う革命』 の担い手」 [『朝日ジャーナル』 第32巻7号, 1990; 『世界のことば』 朝日選書436, 1991]

 ソビエト体制の終焉は,ロシアでは,首都モスクワでのクーデタ未遂とゴルバチョフ幽閉 (1991年8月),ドイツでは,ベルリンの壁崩壊 (1989年11月) というきわめて政治的なできごごとに象徴されることと比べ,青黒白の民族旗 (エストニア共和国の国旗) が振られ,エストニア語の歌が歌われただけの合唱祭が,ソビエト体制の崩壊の象徴であったエストニアは,たしかにユニークであったから,「エストニア=合唱の国」という図式が世界中に広がり,日本でもエストニア合唱祭を目当てのツアーまで行われたことは記憶に新しい。ただし,このときの合唱祭は,5年ごとに開かれている全国合唱祭ではなく,番外編の合唱祭だった。

 「歌う革命」についてのドキュメント映像は,私の知る限りでは,2つ制作されている。1つは,歌う革命の合唱祭 (1988年9月) の全容をほぼそのまま収録したビデオ映像で,タイトルは Eestimaa laul '88 (エストニアの歌 '88)。 スウェーデンなどでもテレビ放映されたと聞いている。私が持っているのは,知り合いに頼んで,VHSにダビングしてもらったエストニア語版。これは貴重な映像だが,一般には手に入らない。

 もうひとつの映像は,アメリカ合衆国で 2006年 に制作された The Singing Revolution というタイトルの英語のドキュメンタリー映画である。イギリスの Amazon のサイトで調べてみたが,NTSC + Region 1 のDVD (2009年2月) しかヒットしないので,ヨーロッパ版 (PAL + Region 2) は出ていないようである。日本はリージョンコードがヨーロッパと同じ2なので,NTSCだからといって,そのまま自由に見るというわけにいかないのが,残念である。

 このアメリカ版の「歌う革命」を学校の教材にしようとする動きがアメリカにあると,新聞 Postimees のサイトが伝えている。

 記事: «Laulev revolutsioon» võib jõuda USA koolide õppeprogrammi 「歌う革命」がアメリカの学校教材になるかもしれない (Postimees)
 記事: «Laulev revolutsioon» võib jõuda USA koolide õppeprogrammi 「歌う革命」がアメリカの学校教材になるかもしれない (ERR)

 詳しいことは,記事ページに,エストニアTVのニュース解説番組の映像へのリンクがあるのでご覧いただきたい。

【補足】 英語の「歌う革命」DVDだが,手元にあるものを確認したら,エストニア限定でリリースされたものだった。PALでリージョンコードは2,ロシア語,フランス語,ドイツ語などのサブタイトルが選べるようになっている。ドイツの Amazon で検索してみたがヒットしないので,ヨーロッパ版はやはり出ていないと思われる。

Laulev revolutsion

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YouTubeでsinging revolution Documentaryと検索すると英語版が観れます♪

投稿: satomi | 2010/09/04 12:42

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