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自伝 - elulugu

 エストニアの知識人と呼ぶにふさわしいマリユ・ラウリスティン Marju Lauristin (1940年生) が古稀の自伝+著作集「赤と青」 Punane ja sinine を出した。彼女の肩書きは,社会科学者 sotsiaalteadlane, 教授 professor, 政治家 poliitik と記事ではなっている。

 タルト大学で sotsiaalkommunikatsioon, 日本語で言えば「社会情報学」の教授を務めた人で,最初の2つの肩書きはそこから来ている。「政治家」の肩書きは,1992~1994年の2年弱の間,M・ラール Mart Laar の率いる内閣で,社会保険大臣に就任したほか,国会議員を長く務めたことから来ている。

 マリユ・ラウリスティンは,1980年に,当時の民族文化政策を憂えるエストニアの知識人が集団で署名してモスクワに送った,いわゆる「40人の手紙」の署名者のひとりである。「40人の手紙」の署名者たちは,いずれも,反体制派というよりは,エリート知識人といっていい人たちで,科学アカデミーの研究者というめぐまれたポストを失うなどの処分を受けた人も出るなどの「大スキャンダル」として扱われたが,5年後に始まるペレストロイカの走りであったとも考えられないことはない。1980年代の終わりから1990年代の初めの時期,すなわち,ソビエト体制から独立回復への時期には,人民戦線 Rahvarinne の発起人のサビサール (現タリン市長)と二人三脚を組んで活躍していた女性闘士というイメージがある。

 名前からも想像がつくように,マリユ・ラウリスティンは,ヨハンネス・ラウリスティン Johannes Lauristin (1899-1941) の娘である。父ラウリスティンは,旧エストニア共和国時代には非合法だったエストニア共産党の活動家だったから,エストニアのソ連邦への併合を推進した側の人間である。1941年にタリンから戦禍を逃れて軍艦で避難する途中,事故で死亡したとされているが,殺害されたという説もあるらしい。戦犯といっていい人を父親に持つわけだから,マリユ・ラウリスティンに関する評価は,一般のエストニア人の間では,必ずしもすっきりしないところがあるのだが,1980年代~1990年代の激動期に,めざましい活躍をした人であることは否めない。

 古稀記念出版の「赤と青」の前半の自伝の部分は,口述を録音し文字に起こしたもので,著作集の部分には,雑誌などに寄稿した論文が収められているという。口述するに当たっては,自分の子どもや孫,あるいは学生たちに語り聞かせる物語のつもりで話をしたと著者は語っている。この本はまた,これまで自分に対して繰り返し向けられたいくつかの質問への回答にもなっている,そういった質問にまとめて答えることができたのはよかった,と付け加えたという。

社会科学者      sotsiaalteadlane
教授          professor
政治家         poliitik
知識人         intellektuaal
赤い           punane
青い           sinine
答え,回答       vastus
質問           küsimus
伝記,自伝       elulugu
インタビュー      intervjuu
録音する        lindistama
書き起こす       maha kirjutama
本,書籍        raamat
表紙           kaas (複数 kaaned)
新聞雑誌        ajakirjandus
語り           jutustus
話,物語        jutt
熟考する        läbi mõtlema
70歳の記念日     70 [seitsmekümne] aasta juubel
40人の手紙      40 [neljakümne] kiri

Marju Lauristin 70-aastasena

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