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休暇 - vaheaeg

 エストニアで,今,学校の授業時間数の見直しをふくめ,学校教育制度全体をきめている法律の改正が行われようとしている。この改正案が可決されると,高等学校の夏休みは8週間,小中学校の夏休みは10週間になる。つまり,今は3ヶ月ある高等学校の夏休みが,1ヶ月短くなって2ヶ月になるということだ。

 エストニアの学校の長い夏休みは,子どもたちが,夏の間家で畑仕事などの手伝いをしなければならなかった100年前の農村型社会の名残だと,改革支持者は指摘する。自らも農村に住む教師たちも,冬の蓄えのための作物栽培を夏の間に自家菜園でしなければならなかったから,長い夏休みは都合がよかった。しかし,この考え方は,とうの昔に時代遅れになっているといいうわけだ。

 改革派は,諸外国の学校の夏休みの長さの平均が 11 ~ 12週だと指摘し,エストニア人の子どもたちが学校に通う期間が,先進国に比べて1ヶ月も短い現行制度は問題だとする。エストニアの親たちは,子どもたちが学校にいる時間が長すぎるというが,現実はむしろ逆だ。エストニアの子どもたちが他国の子どもたちより優秀だなんてことはないから,急いで教えなければならなかったり,時間が足らずに教え残している学習事項があるのは周知のことだ。

 長い夏休みの弊害はほかにもある。子どもたちは,3ヶ月も学校から離れるから,前の学年で学んだことをすっかり忘れてしまうし,親たちも3ヶ月の夏休みをとることは無理だから,長い夏休みの間,子どもたちの面倒をみるのが大変である。子どもが何かできる機会を与えてあげようなどと考ようものなら,家計への影響もばかにならない。

 増えた授業時間は何に使うのか。子どもたちに,たとえば,低学年からコンピュータの操作や,インターネットの利用のしかたを教えたらどうか。小学校からIT教育をするかどうかは,エストニアの国の威信の問題と受けとめるべきだ。

 改革に反対する声も高いが,エストニアの「超ゆとり教育」は,時代の流れの中で,いまや風前の灯火である。

 Koolireform lubab gümnasistidele kahekuist suvepuhkust 改革で高校の夏休みは2ヶ月に
 Maris Hellrand: millal lõpeb agraarajastu Eesti koolis? 農村型学校教育の時代はいつ終わるのか

語彙
 koolireform, haridusreform  学校改革,教育改革
 õpilane            生徒
 õpetaja            教師
 puhkus            休息,休暇
 vaheaeg            休業,休暇,休み時間
 suvepuhkus, suvevaheaeg    夏休み
 koolivaheaeg         学校の休み
 eksam             試験
 põhikool           基礎学校 (小学校+中学校)
 gümnaasium          高等学校
 õppeaasta           学年 (期間)
 õppeveerand          学期 (エストニアは四学期制)
 nädal             週
 kuu              月
 täiendav õpe         補習

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