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女性の祝日 - naistepäev

 今日 (3月8日) は国際婦人デー (国際女性デーとも) naistepäev である。エストニアの日刊紙 Postimees が行ったインターネット投票では,参加した3700人のうち,祝うと答えたのは37%だった。

 記事: Lugeja naistepäeva ei tähista (Tarbija24 2010/03/07)

 日本ではどのくらい一般に知られている日なのかは見当がつかないのだが,少なくともソ連邦では,働く女性の祝日で休日になっていた。この時代は,5月の第2日曜日の母の日 emadepäev を祝わなかった。大ざっぱな言い方をすれば,3月の女性の日は共産圏諸国における女性の祝日,5月の花の日は資本主義国における女性の祝日だったといっていい。

 3月の女性の日と5月の母の日には,女性に赤い花が贈られるという共通点がある。エストニアでは,カーネーションよりはチューリップやバラが多かったらしいが,他の花も贈られた。違うのは,主役の位置づけが,働く女性か母親かという点である。また,それに応じて,贈る側も女性のパートナーとしての男だちか,子どもたちかという違いがある。ソビエト時代の3月8日は,今の日本で考えれば,いわば労働階級のホワイトデーだったから,愛するパートナーに心を込めて花を贈る男も中にはいたに違いないが,職場で贈られる「義理カーネーション」も少なくなかったであろう。多くの男どもにとっては,女性のためのお祝いを名目に,昼間から飲める楽しい日でもあった。

 3月8日の女性の日がエストニアで人気がないのは,これがソビエト体制を思い出させるからである。とくに赤い花は,共産主義のシンボルの赤い旗などの色を思い起こすという。この日の起源については 日本語の Wikipedia にもいろいろと書いてあるが,エストニア人向けに書かれた解説が面白い。

 記事: 8. märtsist inspireeritud (Postimees 2010/03/07)

 3月8日の女性の日の起源は,アメリカ合衆国での出来事にある。まず,1848年,女性の権利や自由を拡大する改革が行われた。1908年,ニューヨークの織物工場でストライキが起こり,その時起こった火災129人の女性が命を失った。

 1909年,マルクス主義者で革命家のローザ・ルクセンブルク Rosa Luxemburg が,3月8日を国際女性連帯の日に決めようと提案した。1910年にコペンハーゲンで開かれた第2回女性社会主義者会議で,国際女性書記局の代表クララ・ゼトキン Clara Zetkin が3月8日を女性の祝日にしようと訴えた。

 ソ連邦では,とくに1930年代から3月8日を盛大に祝うようになり,1965年には休日に制定された。この日は,職場や家族で一緒にお祝いをする人され,ソ連邦への併合後のエストニアでは,女性のための祝日は,1920年代から広く行われていた母の日から,この女性の日にとって替わられた。この日には,女性に花束,贈り物,お祝いのカードが贈られ,そのための商品が店で売られた。

 エストニアで国民の祝日としての女性の日が祝われたのは,1990年までである。2001年には,3月8日を再び国民の祝日に制定するよう野党議員が国会で提案したが,否決された。

語彙
 naine     女性
 päev      日,一日
 püha      祝日 cf. pühapäev  日曜日
 puhkepäev  休日
 kink (kingi)  贈り物              cf. king (kinga) 靴
 lill       (花屋で売っている) 花,草花  cf. õis (つぼみに対する) 花
 nelk      カーネーション
 tulp      チューリップ
 roos      バラ
 tähistama  (祝日を)祝う

【更新履歴】 2010/10/23; 2011/03/08


今日の風刺画: 女性の同志諸君,おめでとう
「手が一杯だと? 俺が年に一度お前に花を贈ろうってんだから,つべこべ言わずに受け取りなさい」
Palju õnne, seltsimehed naised!

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