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履き替える - vahetama

 27日の女子スキー 30kmクラシカル (30 km klassikasõit) で残念ながら28位に終わったエストニアのシュミグン選手 Kristina Šmigun-Vähi の敗因は,10km を過ぎた時点で履き替えた2番目のスキーのワックスの状態が悪かったことで,彼女は,最初に履いていたスキーは調子が良かったので,あのまま使い続ければよかったと記者に語ったそうです。

 Määrdega alt läinud Šmigun-Vähi sai 28. koha, eestlaste määritud suuskadel teenis kulla Kowalczyk ワックスで失敗したシュミグン選手は28位,エストニア人が手入れしたスキーでコワルチク選手は金メダル
 Šmigun-Vähi: sai tehtud valesid otsuseid 間違った選択をしてしまったとシュミグン選手
 Kristina Šmigun-Vähi suusarajal.  コースを走るシュミグン選手 (写真)
 Kristina Šmigun-Vähi boksis suuski vahetamas.  スキーを履き替えるシュミグン選手 (写真)

 記者は悔しくてたまらなかったようで,優勝したポーランドのコワルチク選手のスキーにワックスを塗ったのはエストニア人の Are Mets と Peep Koidu だと実名をあげています。シュミグン選手のスキーを手入れしたのもエストニア人だったのでしょうか,気になるところです。

語彙
 vahetama 交換する,取り替える
 võitja   勝利者,優勝者
 võitma   勝つ,優勝する
 kaotama   負ける
 katkestama, pooleli jätma 中断する,途中で放棄する
 eestlane, eestlanna    エストニア人 (男,女)
 poolakas, poolatar     ポーランド人 (男,女)
 norralane, norralanna   ノルウェー人 (男,女)
 soomlane, soomlanna    フィンランド人 (男,女)
 rootslane, rootslanna   スウェーデン人 (男,女)

 シュミグン選手のバンクーバーでの成績を振り返ってみましょう。

 Šmigun-Vähi võitis Eestile hõbemedali!  エストニアのシュミグン選手が銀メダル (10km, 15日)
 Šmigun-Vähi katkestas suusavahetusega sõidu  シュミグン選手は途中棄権 (複合, 19日)

Kristina Šmigun-Vähi finišijoonel.  ゴールするシュミグン選手 (10km, 銀メダル, 15日)

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雪の芸術 - lumi

 雪の話題をもうひとつ。雪は日常生活の障碍であると同時に,また美しい存在でもあります。新聞サイトの読者の投稿写真から,楽しい雪の芸術をいくつか選んでみました。

語彙
 lumi   雪
 kunst  芸術
 talv   冬
 lill    花

Muumitroll. ムーミン
Muumitroll.

Talve lilled. 冬の花たち
Talve lilled.

Lume loom. 動物
Lume loom.

Mütsid. 帽子
Mütsid.

Ükskord me võidame niikuinii.
私たちはいつかきっと勝つ [歌う革命の合い言葉 - なつかしい!]
Ükskord me võidame niikuinii.

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救急車 - kiirabi

 「救急」にあたるエストニア語で, kiir 「急ぎ」+ abi 「助け」からなる複合語。文脈によっては「救急センター」「救急車」などと訳した方がぴったりする。

 Kiirabi jäi lumme kinni. 救急車が雪で動けなくなった。
 Ta töötas mitu aastat kiirabis. 彼女は何年も救急センターに勤務していた。
 Ta viidi kiirabiga haiglasse. 彼女は救急車で病院に運ばれた。

 東北エストニアのラクヴェレ Rakvere とタパ Tapa の中間あたりにあるカトリナ Kadrina で,現場に駆けつけた救急車が雪で3時間も動けなくなった。ラクヴェレから救助隊を呼んだが,救急車は動かず,病人はタパから派遣された別の救急車で病院に運ばれた。[記事ページ] 大事には至らなかったそうだが,思わず,映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』のドクターヘリを思い出した。住民の話では,道の雪かきがきちんと行われていなかった可能性があるという。

語彙
 lumi       雪
 lumevangis olema 雪に閉じ込められて身動きできない状態にある
 lumevangist vabastama 雪で身動きできない状態から解放する
 haige       病人
 haigla      病院
 lumekoristus    雪かき

Rakvere haigla kiirabi   ラクヴェレ病院の救急車

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エストニア人の愛読書 - lemmikraamat

 エストニアのラジオ局 Elmar によると,エストニア人がもっとも好きな本は,O・ルッツ Oskar Luts (1886 - 1953) の Kevade (春) だという結果が,2月に行ったアンケート(回答者約1500人) で出た。[ニュースのページ] ベスト5は次の通り。

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よくやった - Tubli!

 エストニアのアンシプ首相が本当にこの表現を使ったかどうかは知りませんが,そういう場面で使うのがこの表現です。日刊の Postimees 紙のロシア語版によると,アンシプ首相が,エストニアのロシア語ラジオ放送で,グレボワ選手 Елена Глебова / Jelena Glebova のオリンピックでの健闘をたたえて,こうコメントしたそうです。[記事ページ]

 Я думаю, что у Елены Глебовой большое будущее. エレナ・グレボワにはとてつもない将来性があると思う。

 日本訪問のときの話題つくりの見事さを思い起こせば,エストニアのロシア系住民へのパフォーマンスの要素が大いにあると考えても間違いはないとは思うけれども,石原東京都知事の記者会見と比べると,小国の首相とはいえ,首相と知事ではこれだけの器の違いがあるのだと,改めて思います。朝日新聞によると,日本の鳩山首相も「男女ともフィギュアは6人全員入賞だってうかがいました。すばらしい快挙だなと,そう思います。」と記者会見で言ったそうです。[記事ページ] 東京都民のみなさん,恥じましょう。そして,次はもっと立派な人を知事に選びましょう。

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フィギュアスケート - uisutama

 「スケートで滑る」という意味のエストニア語の動詞は uisutama, フィギュアスケートは iluuisutamine, フィギュアスケート選手は iluuisutaja という。 ilu は「美」だから,フィギュアスケート iluuisutamine は,エストニア語では「美しい滑り」のような意味になる。

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夫人 - abikaasa

 写真は,今年のエストニアの独立記念日の大統領主催レセプションで顔を合わせたイルベス大統領夫妻(右)とアンシプ首相夫妻 (新聞サイトの画像ファイルに直接リンクしてここに表示)。

 どちらの夫婦も男の方が要職についているので「夫人」と訳してみたが,エストニア語の abikaasa は「配偶者」の意味で,男女の区別はない。日本語でも大昔は「つま」は夫の意味でも使われたらしいが,現代語にはぴったりする訳語がない。「配偶者」は法律用語で日常的な文脈では使えないし,「連れ合い」は写真のような場面にはそぐわない。エストニア語の abikaasa はふつうの語で,法律的な文脈でも,日常的な会話でも使うことができる。

 写真の場面では peaminister Andrus Ansip abikaasa Anu Ansipiga 「アントルス・アンシプ首相とアヌ・アンシプ夫人」といい,もし女性の方が主役の集まりだったら,順番を入れ替えて naistearst Anu Ansip abikaasa Andrus Ansipiga と言えばいいことになる。しかし,日本語にはどう訳せばいいのだろうか。「婦人科医のアヌ・アンシプさんと夫のアントルス・アンシプさん」かな。新聞はどうしているのだろう? ちなみに,フィンランドの大統領は女性だが,来日したときには夫婦同伴ではなかったから,記者たちが頭を悩まさずに済んだのかも知れない。

 ただし,president Toomas Hendrik Ilves ja proua Evelin Ilves 「トーマス・H・イルベス大統領とエベリン・イルベス夫人」のように,夫人のほうに proua (英語の Mrs に相当) を使う場合には,対応する女性中心の言い方がない。

 語彙:
 abielu   婚姻関係,結婚生活  cf. abi 助け + elu 生活,人生
 abikaasa  配偶者  cf. kaasa 一緒に (後置詞,副詞)
 pulmad   結婚式
 abielluma  結婚する
 härra    紳士,旦那さん
 proua    奥さん

 härraproua は,商店主が客を呼ぶときの「旦那さん,奥さん」によく似た語である。 「härra / proua + 苗字」は,英語の Mr / Mrs にあたる呼びかけとしても使う。参考までに,郵便物の宛名の場合,通常,受取人の名前は呼び捨てにする (例えば,友人同士や顧客に対して)。

 abikaasa は大昔からある語ではなくて,20世紀の後半に広く使われるようになった語であろう。より伝統的な言い方をすれば,夫は mees 「男」,妻は naine 「女」である。動詞 abielluma も名詞 abielu から作られた比較的新しい動詞で,かつては,男が結婚するのを naise võtma 「妻をめとる」,女性が結婚するのを mehele minema 「夫のもとへ行く」と言ったが,この2つの表現は,日本語の「嫁をもらう」「嫁に行く」と同じく,現代では古めかしく聞こえる。

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華やか - pidulik

 エストニアの独立記念日 Vabariigi aastapäev の前日,すなわち,2月23日には,大統領主催で,叙勲の式典と華やかなパーティー pidu が開催されます。エストニア大統領夫妻が招待客の前でワルツを踊って,パーティーが始まるのが恒例になっているようです。

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国旗掲揚 - lipu heiskamine

 2月24日はエストニアの独立記念日。エストニアでは国旗の掲揚 lipu heiskamine が義務づけられている旗日である。独立記念日は,1918年,エストニアがロシア帝国からの独立を宣言するために「エストニアの全ての民族たちに向けての宣言」 Manifest kõigile Eestimaa rahvastele を発した2月24日で,1991年にソビエト連邦からの離脱を宣言した8月20日ではない。

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要人警護 - ihukaitsja

 「ボディーガード」を意味するエストニア語。日本でSP (Secret Police),合衆国で Secret Service と呼ばれる国家元首級の要人警護要員も含んでいる。「護る人」を意味する kaitsja は「防衛,警護」を意味する kaitse と同じく,動詞 kaitsma 「護衛する,まもる」から作られた名詞である。

 エストニアのアンシプ首相が札幌国際スキーマラソンに出場し完走したことが話題になったが,エストニアのマスコミは,首相のスキーマラソン参加は私費だと強調していた。ところが,ここにきて「疑惑」が持ち上がった。エストニアの法律では,首相が要人警護なしに出歩くのは禁じられていることを新聞が指摘したからだ。

 Ansipi turvakulu Jaapani maratonil hoitakse saladuses アンシプ首相の日本のスキー・マラソンでの警護費用は公開されず

 アンシプ首相は,札幌での宿泊費,スキー・マラソンの参加費,その他の費用を私費で支払ったというが,私費で行動した期間にも警護費用がかかっているはずだという疑問が生じたわけである。要人警護要員も札幌まで同行しているはずということを考えれば,札幌スキーマラソンで完走したエストニア人はアンシプ首相1人ではなかったことになる。

 エストニアの政府も警察も,ともに,要人警護要員の数と費用を公表することば,エストニアの要人警護体制そのものの中身を明かしてしまうことになるから,札幌での警護費用は公表できないとしているという。

 完走したとはいえ,アンシプ首相の成績がそれほどでもなかったのは,案外,スキーの腕前が大したことない警護要員に合わせて滑ることを余儀なくされたためかもしれない。

 アンシプ首相 (写真中央) のSPを見つけよう!

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エストニア独立記念日のパレード - paraad

 明日24日は,エストニアの独立記念日です。私はテレビでしか見たことがありませんが,毎年,タリン市街地ではもっとも広い空間である自由の広場 Vabaduse väljak で式典が開かれ,市内を戦車などがパレードします。

 Eesti Vabariigi 92. aastapäeva paraad エストニア共和国独立92周年記念日のパレード

 リンク先は,式典の会場やパレードの経路などが図解されている図です。拡大鏡のアイコンが付いている図をクリックすると図だけになり,もう一度クリックすると全画面表示になって,ヤーニ教会 Jaani kirik の側からトーンペア Toompea に向かって眺望したときの自由の広場の眺めがだいたいわかります。

 語彙集
 Eesti Vabariigi aastapäev 2月24日 (24. veebruar), エストニア共和国独立記念日
 Kaitsevägi         エストニア防衛軍,国防軍
 Vabaduse väljak      自由の広場
 aastapäev    (年1回の)記念日
 kuupäev     日付
 nädalapäev    曜日
 kaitse      防衛
 sõda       戦争
 sõjavägi     軍隊,軍
 sõdur      兵士
 maavägi     陸軍
 õhuvägi     空軍
 merevägi     海軍
 piirivalve    国境警備隊
 politsei     警察
 liiklus     交通
 pealtvaataja   見物人
 väljak      広場 - 例: lauluväljak 合唱祭広場, spordiväljak 競技場
 tänav      (街の)通り
 tee       道,道路

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エストニアのニュースをロシア語で - uudised

 エストニアのニュース uudised を伝えるロシア語のサイトとしては,日刊紙 Postimees のロシア語オンライン版が知られています。このほど,エストニアで出ているロシア語の週刊新聞 День за Днём / Den za Dnjom のオンライン版が登場しました。日本語に訳せば「毎日」,週刊新聞だから「週刊毎日」かな。[エストニア語記事ページ] [ロシア語記事ページ]

DzD.ee ロシア語週刊新聞オンライン版

 ニュースを2つ拾ってみると...

 В Ору и Раквере закрывают русские школы ロシア語系学校の閉鎖

 ラクヴェレ Rakvere のロシア語系の高等学校が,エストニア語系の高等学校に併合され,コフトラ・ヤルヴェ Kohtla-Järve のロシア語系の小学校が,今年度いっぱいで,つまり8月末に廃校になるそうです。

 В Америке эстонская крона стоит доллар アメリカでは1エストニア・クローンが1ドル相当

 現在は5クローン札 viis krooni がいちばん金額の小さい紙幣ですが,エストニア・クローンが登場した1992年には1クローン üks kroon の紙幣も発行されました。1クローン紙幣は,短期間しか流通しなかったので,現在,収集家の間では,80円~90円程度で売買されているそうです。ちなみに,1エストニア・クローンの交換レートは,1クローン=8円程度です。

 語彙
 uudised    ニュース (複数形)
 ajaleht     新聞
 ajakiri     雑誌
 päev      日,一日
 päevaleht   日刊紙
 nädal      週
 nädalaleht   週刊新聞
 kuu       月
 kuukiri     月刊誌
 aasta      年
 aastaraamat  年鑑

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酒を飲む - jooma

 目的語なしに「飲む」とだけいうと,酒を飲むという意味になる言語は多い。エストニア語の jooma もしかり。名詞の jook 「飲み物」も食事時に言えばふつうはワインやビールのことで,アルコール抜きの飲み物を選ぶのは少数派である。東京だけの現象かもしれないが,お昼の定食を注文すると,お飲み物は?と聞かれることがある。この場合,ウェートレスはコーヒーと紅茶のどっちを選ぶかと聞いているのだが,私はこの場面でのこの質問にはいまでも慣れることができない。

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エストニアの自然(2): 冬の動物たち - loomad

 生物学的に言えば,小鳥も動物ですが,ここでは小鳥以外の動物の写真を拾ってみました。小鳥でないということで,白鳥の写真も含めてあります。

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エストニアの自然 (1): 冬の小鳥たち - linnud

 新聞 Postimees のオンラインサイトに読者からの投稿写真のコーナーがあります。エストニアの冬の風景が中心です。まず小鳥の写真から。

 語彙:
 loodus 自然
 lind   鳥
 talv   冬
 mets  森,森林,林
 pilt   絵,写真

Leevike

Rasvatihane

Tutt-tihane

Sinitihane

Kirju-rähn

Porr

Varesed

Pasknäär

Kakk (öökull)

Ahnepäts

Rästas

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母と娘 - ema ja tütar

 エストニアのシュミグン選手 Kristina Šmigun-Vähi は,距離複合では残念な結果に終わりましたが,こんな写真がエストニアの新聞に載っています。子連れ参加なんですね。すごい。


Kristina Šmigun-Vähi koos tütre Victoria Krisiga 娘のヴィクトリア・クリスちゃんと

 お母さん ema が自分の成績が悪かったことを反省して,この日はアイスクリームを食べないことにしたので,娘 tütar のヴィクトリアちゃん Victoria Kris もそのとばっちりで,この日はアイスクリーム抜きだったそうです。

 記事: Šmigun-Vähi karistab ennast ja tütart jäätiseta jäämisega アイスクリームがお預けになったシュミグン母娘

語彙

 tütar    娘
 poeg    息子
 tüdruk   女の子
 poiss    男の子
 ema     母親
 isa      父親
 jäätis    アイスクリーム
 karistama  罰を与える

--
補足 (2010/02/28): 文章を一部,加筆修正しました。

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誕生と死 - sünd ja surm

 エストニアで1月に生まれた新生児は1157人,受理された死亡届は1458件。

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学校の閉鎖 - kool

 学校 kool の統合・廃校は日本でも珍しくないですが,地元にとっては寂しいものです。

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電子処方箋 - digiretsept

 エストニアでは,4月いっぱいで紙の処方箋が廃止される。電子処方箋 digiretsept は今年の1月から導入され,当初の計画では,2月いっぱいで廃止されるはずだったのが,薬局業界の希望で,移行期間が2ヶ月延長されることになったという。[記事ページ]

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三たび,外国人名地名のカタカナ表記について

 ロシアの Y. Kavaguti + A. Smirnov のペアが4位で終わったが,さてこのロシアの女性フィギュア選手の苗字はカタカナでどう書くべきでしょうか。彼女は,ロシア国籍になって Юко Кавагути さんになり,ローマ字表記も今は正式に Kavaguti に変更しています。これは,ロシア文字をラテン文字に1対1対応で転写したもの。日本のマスコミは「川口悠子」と書き続けていますが,もし,この女性が最初からКавагутиさんで,英語のメディアに Kavaguti で登場し,この名前で国際的に知られていたらどうなっていたか,考えてみるのも面白いと思います。

 ロシア文字で書くКавагутиですが,これは長年の慣用に従えば「カワグチ」と仮名表記するつづりになっているので,問題なさそうです。では,英語式の Kavaguti はどうか。ロシア語の名前のラテン文字転記だと知らなければ,「カヴァグティ」と仮名表記することになるんじゃないかな。もし,この表記で日本語に入っていたら,川口という日本の苗字と結びつけるのは難しいですよね。ちなみに,Smith さんと結婚した日本女性が姓を「スミス」に変え,日本のパスポートを申請したら,パスポートの氏名のローマ字表記が Sumisu になっていたため,アメリカ入国の際に同行しているご主人と姓が異なり,夫婦であることを証明できなかったというような笑い話が,かつてまことしやかに語られたことがあります。

 なぜこんな回りくどい話をしたかというと,ソビエト時代には,エストニア語の人名や地名は,すべていったんロシア文字に転写され,それをそのままロシア語風に読んで仮名転写するか,さもなければ,ロシア文字転写したものをロシア語としてラテン文字転記したものをもとに仮名転写していたからです。エストニアの首都 Tallinn は,現在ではタリンと表記するのが定着していますが,かつては「ターリン」という表記がふつうに見られました。しかも,ロシア語では Таллин で,語末の N がひとつだけ,英語の地図でも Tallin という表記のものが見られました。大学町のタルト Tartu を今でも「タルトゥー」と表記しているガイドブックなどがありますが,ソビエト時代の名残だろうと思います。日本人と結婚しているウーラさんというエストニア人の女性がいますが,彼女の名前はスカンジナビア系の Ulla で,本当は母音が短い。

 エストニア語は9母音,ロシア語は5母音(ыとиを別母音とすると6母音),しかも,エストニア語には母音の長短の区別があるのに,ロシア語の母音はアクセントがあるかないかで長さがかわって発音されてしまうことを考えただけでも,ロシア語経由でエストニア語の人名地名を日本語に入れることの無謀さは常識的に明らかですが,実際に行われていたことです。

 もっとも,エストニア語の人名地名を,直接仮名表記すれば事態が大幅に改善されるかというと,そうでもありません。たとえば,日本語も5母音の言語なので,エストニア語の母音の区別を仮名では表しきれません。また,子音の違いもあります。しかし,エストニア語の綴りや発音に直接基づいた仮名表記を考案した方がいいことは確かだと思います。

 そうそう,エストニアのスキー選手スミグンさんは,本当はシュミグンさんです。この人の姓はエストニアでは Šmigun と書かれることからわかるように,エストニア語系の名前ではなく,本当は Shmigun とすることもできたはず。しかし,S についていた楔形記号が落ちた Smigun が英語のメディアで一般化し,それをそのまま仮名転写したために「スミグン」さんになってしまいました。

 有名な作曲家のA・ペルトは,Pärt をドイツ語読みした発音で日本に入ってきました。でも,エストニア語の ä で書く母音は,英語の handbag の母音のほうに近く,直接日本語に入っていたなら「ハンドバッグ」にならって「パルト」と書くようになっていたのではないでしょうか。

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タルト・スキーマラソン - Tartu Maraton

 エストニアのアンシプ首相が札幌国際スキーマラソンに出場して完走したことが話題になった。エストニアにも,タルト・マラソン Tartu Maraton と呼ばれるスキーマラソンがある。今年は39回目で,今度の日曜日 (21日) に行われる。アンシプ首相は,毎年のように日本からも出場者がいると言っていたが,少なくとも今年は日本人は誰も登録してはいないようだ。[記事ページ]

 出場予定者は,4000人を超えるエストニア人の他に,21カ国の外国人。フィンランドとラトビアからの参加がダントツに多いが,ノルウェー,ロシア,ドイツ,イタリア,スイス,リトアニア,合衆国, スペイン,チェコから,それぞれ10人以上参加する。参加者が10人に満たない国は,フランス,デンマーク,カナダ,ポーランド,参加者が1人の国は,カザフスタン,ルクセンブルク,ニュージーランド,オーストラリア,イギリスだそうである。

 エストニア以外に21カ国と記事にあるのに,何度数えても20カ国しかあがってないように思うが,まあ,細かいことは気にしないでおこう。

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涙 - pisarad

 ふつう複数形で使うので pisarad にしてみたが,単数形 pisar も使われないわけではない。

 「モスクワは涙を信じない」Москва слезам не веритというロシア映画が1980年代に日本でも公開されたが,これは「泣いたところで誰も助けてはくれないものだ」というロシア語のことわざをもじったものらしい。

 エストニアの新聞 Postimees が「ユーロ圏はギリシアの涙を信じない」という見出しで,ギリシアの経済状態の悪さに対して,ユーロ圏の各国が厳しい姿勢を取ったことを報じている。

 Eurotsoon Kreeka pisaraid ei usu ユーロ圏はギリシアの涙を信じない

 誰でも知っている映画のタイトルや有名な台詞などを,こうやって少しずつ表現を変えて使い回すことは,とくにジャーナリストたちによって,いろいろな言語で行われるので楽しい。ふつうの表現を使うのとは比べものにならないインパクトがある。もっとも,ギリシアの人々のことを考えると,楽しんでいてはいけないのかもしれないが。

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歴史 - ajalugu

 自前の単語を多く使うことがエストニア語よりは圧倒的に多いフィンランド語でさえ「歴史」は historia という(おそらく)フランス語から広まった語を使う。エストニア語では「歴史」を ajalugu (aeg 時代 + lugu 話) と自前の語で表すところが面白い。ドイツ語の Geschichte 「歴史」は「起こったこと」というような意味らしいから,意外にもドイツ語の直接の影響ではなさそうだ。

 16日の日経新聞のエストニア・アンシプ首相のインタービュー記事には,エストニアについての解説があって,冒頭に「ドイツなどの領有を経て1991年に旧ソ連から独立」とだけある。これを文字通りに受け取ると,1920年代~1930年代のエストニア共和国の歴史が消えてしまう。1991年の出来事は「独立」ではなく「独立回復」と呼んでほしいという話をここでも繰り返すが,くわしいことは,たとえば,次を見てください。

タルト和平条約 - Tartu rahuleping
8月20日:エストニア独立回復の日

 今日,問題にしたいのは「ドイツなどの領有」という部分である。これだけ読むと,ソ連邦に属している以前は,ドイツ領であったかのような印象を受ける。しかし,歴史的事実としては,エストニアがドイツ領だったと言える期間は,第一次大戦中と第二次大戦中のほんの数年間だけで,いずれの場合もドイツの敗戦でドイツ軍が撤退し,ドイツによる占領は終わっている。つまり,ドイツ領だった時代は事実上ないに等しい。

 ドイツが統一国家としてヨーロッパの歴史に登場するのは1871年のこと。詳しいことはヨーロッパ史の本で確認することをお奨めするが,現在ドイツと呼ばれている地域は,それ以前は小国に別れていて,ドイツ人といっても,ドイツ語を母語とする人たちという意味で,ドイツと呼ばれる国家への帰属を意味していたわけではない。

 現在のエストニアの地域にいて支配層を形作っていたドイツ人貴族や富裕な商人たちは,現在のような意味でのドイツ人ではなかったから,エストニアはドイツ領であったわけではない。実際,19世紀にエストニアを領有していたドイツ人領主たちは,ペテルブルクにいるロシア皇帝に対して忠誠を誓っていた。こういったことは当時はふつうのことで,たとえば,18世紀の終わり頃,日本へロシアの使節として来航したラクスマン Adam Laxman (1766-1806) も,父親のルーツがフィンランドというだけでの話で,ロシア皇帝の臣下であり,また,当時は,フィンランドなどという国はなかったから,現在の意味で考えるようなフィンランド人ではない。同じような意味で,現在のエストニアの地にハンザ時代から住んでいたドイツ人たちを現在の意味でのドイツ人と考えて,エストニアがドイツ領であったというふうに考えるのは間違いである。

 独立前のエストニアを何世紀にもわたり直接支配してきたのは,上のような意味でのドイツ人領主たちだが,領土的な帰属という観点から近世のエストニアの歴史を大きく時代区分すると,次のようになる。

 1558-1583 リボニア戦争 Liivi sõda : ロシアがスウェーデンに負ける

 スウェーデンによる支配 Rootsi aeg

 1700-1721 北方戦争 Põhjasõda : ロシアがスウェーデンに勝つ

 ロシアによる支配 Vene aeg

 1914-1918 第一次世界大戦 : ロシア帝国の崩壊

 エストニア共和国 Eesti Vabariik

 1939-1945 第二次世界大戦 : ソ連邦が戦勝国として世界の大国になる

 ソビエト連邦 Nõukogude Aeg

 1991    ソ連邦の崩壊

 エストニア共和国 Eesti Vabariik

 エストニアの国家的帰属は,大きな戦争のたびに変わって来た。18世紀初めまでは,スウェーデンとロシアの間で,20世紀の前半はドイツとロシア(ソ連邦)の間で,この地域の領有を巡る戦争が繰り返された。血を流さずに済んだのは1991年の独立回復のときだけであった。

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ソビエト時代 - nõukogude aeg

 nõukogude は「ソビエトの」という意味の不変化形容詞。話しことばでは nõugude と縮めて発音されることが多かった。aeg は「時間」だが「時代」という意味でも使う。ソビエト時代のことは,また vene aeg「ロシア時代」とも言う。vene は「ロシアの」という意味の形容詞。

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エストニア・クローン - kroon

 「エストニア・クローネ」と書いてあるのをよく見るが,kroon - krooni と格変化するので「クローン」にしてほしい。参考までに「クローネ」 krone はデンマークやノルウェーの通貨であって「スウェーデン・クローネ」も厳密には間違い。スウェーデン語では krona (複数形 kronor), 日本人が聞けばむしろ「クルーナ」と聞こえる。最近は英語の新聞でも,通貨の複数形を英語風にしないで,現地語で綴ることが多くなって,10 kronor とか 10 krooni などの表記を見ることがある。厳密に言うと,エストニア語の krooni は複数形ではないのだが,細かいことは気にしないでおこう。

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スキー - suusatama

 来日中のエストニのアンシプ首相 Andrus Ansip が札幌国際スキーマラソンで完走したことを,エストニアの新聞も外信としてだが,写真入りで伝えている。[記事ページ]

 日本ではスキーはスポーツだが,エストニアでは,もともとは冬の移動手段で,スキーする suusatama といえば,もっとも普通には,平地をスキー suusk (複数形 suusad) を足に付けて滑りながら移動することを指す。競技で言えば,クロスカントリーにあたる滑り方が本来の suusatamine ということになるわけだが,高い山のないこともあって,滑降やジャンプのような軽業的な滑り方は,スポーツ選手以外の一般の人にはかえってなじみがない。冬,川や湖が凍り,その上に雪が積もれば,スキーで移動するには恰好な平らな道になる。

 スキーマラソン suusamaraton は,エストニアでも盛んで,タルトで開かれる Tartu suusamaraton は国際的にもよく知られている。

 参考:「エストニア首相が50キロ完走 札幌スキーマラソン」 (朝日新聞)

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研究する - uurima

 動詞 uurima は,日本語の「研究する」「調査する」に当たる動詞である。この動詞から,uurija 「研究者」, uuring 「研究(すること)」, uurimus 「研究(の成果)」などの名詞が作られる。また,「~を専攻している」と言いたいときにもこの動詞が使える。

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惚れる - armuma

 誰かが,あるいは何かが好きになるというときに使う動詞。日本語で「恋に落ちる」「惚れ込む」,英語で fall in love などというように,こういう心理状態には落ち込んだり,はまり込むものなので,エストニア語でも対象は「~の中へ」という意味の形,すなわち入格(にゅうかく)と呼ばれる形になる。

 Poiss armus tüdrukusse.     少年は少女が好きになった。
 Vene turistid armusid jäägitult Tallinna. ロシア人の旅行者たちはすっかりタリンの魅力の虜になった。

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お祭り - rahvuspüha

 表題に使った rahvuspüha は「民族,国民」の意味の rahvus と「祝日,休日」の意味の püha からなる「民族の祭り」を意味することば。法律で国旗を掲揚することが決まっている「国民の祝日」ではなくて,「国民的なお祭り」のことである。

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エストニア人とそば - tatar

 蕎麦と聞くと,ふつうは,ざる蕎麦やかけ蕎麦などの,いわゆる蕎麦切りのことを思い浮かべる。しかし,蕎麦を麺類として食べるようになったのは,戦国時代から江戸時代の初め頃のことで,それ以前は,蕎麦掻き【*注】といって,つくねのようにするのが普通の食べ方だったらしい。

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女優 アナ・トーブ - näitlejanna Anna Torv

 アメリカの人気TVドラマ Fringe フリンジ で主人公の FBI の女性捜査員 Olivia Dunham 役の女優 Anna Torv は,父親がオーストラリアのエストニア人なのだそうで,エストニアで話題になっています。

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エストニア国歌 - hümn

 歌の話題が続きます。エストニア国歌 Eesti Vabariigi hümn は,基本的にフィンランド国歌と同じく,ドイツ人のF・パーシウス Fredrik Pacius (1809-1891) が1848年に作曲したメロディーにのせて歌います。

 エストニア国歌の公式ページ: Eesti Vabariigi hümn (音声ファイルあり)

 現在のエストニア国歌のメロディーは,旧共和国時代の1920~1930年代に歌われたものと少し違っており,また,その当時のものもパーシウスの原曲とは少し違うのだそうです。

 エストニア国歌を3つのバージョン (1848, 1927, 現行) で聞くことのできる無料のコンサートがこの週末にタリンとタルトで開催されるそうです。

 記事: Eesti hümn kõlab nüüd sama uhkelt kui enne sõda (Postimees 2010/02/12)
 参考: フィンランド国歌とエストニア国歌 (リンク)

【補足】
 加筆とリンクの修正 (2010/12/04)

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合唱祭 - laulupidu

 歌の話題が出たところで,laulupidu (合唱祭, 歌謡祭)を話題にしておこう。現在のエストニアの合唱祭がどのような催しであるかについては,インターネットに情報が溢れているので,ここでは省略する。

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キフヌ島の歌と踊り - laul ja tants

 エストニアのキフヌ島 Kihnu からやってきた12人(うち女性が11人)によるキフヌ島の婚礼の儀式と歌と踊りの公演が今週ありました。文化庁主催の国際民俗芸能フェスティバルへの出演ですが,私は10日の昼の公演を見ました。

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百万本のバラ - roos

 加藤登紀子が1983年に歌ってヒットした「百万本のバラ」の原曲 Миллион алых роз 「百万本の赤いバラ」を歌ったロシアの女性歌手アーラ・プガチョワ (Алла Борисовна Пугачёва, 1949生),エストニアでは Alla Borissovna Pugatšova が,11日にエストニアのタリンでサヨナラ・コンサートを開いた。

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太る - juurde võtma

 本来は「今手もとにあるものに加えてさらに何かを手にとる」というような意味ですが,体重が増えるときにも使います。

 McDonald’s aitab jaapanlastel juurde võtta マクドナルドのおかげで日本人は太る

 Financial Times の記事を引用したもので,もともと野菜中心の健康的な食習慣をもっていた日本人だが,1970年に最初のマクドナルド店が出来て以来,油っぽいフライドポテトやパンに挟んだ脂肪分の多いハンバーグを食べる悪い習慣がついてしまった,嘆かわしい,というような内容の記事の紹介です。

 記事には,食物に関する語彙がいくつか出ています。

 toit     食物,食事
 kiirtoit   ファーストフード
 rasv     脂肪
 kotlett    コロッケ,ハンバーグ
 burger    ハンバーガー
 friikartulid フライドポテト
 sai      白パン
 riis     米,ご飯
 misosupp   味噌汁

 エストニア語でパン一般を指す leib は,ふつう黒いパンをさします。小麦 (nisu) で作られる白パンは nisuleib という呼び方もありますが,日常的には sai と呼ばれます。日本では黒パンはほとんど知られていないので,嫌う人も多いようですが,黒パンのほうが味が落ちずに長持ちするし,美味しいという人が多いです。タリンのショッピングセンター地下の食品売り場に行くと,あらゆる種類のパンを売っていますが,気を付けて探すと,エストニアの leib もちゃんと売っています。

 今は,エストニアでもふつうに白パンを食べますが,かつては小麦粉は北国では貴重だったので,特別なとき以外は食べなかったのではないでしょうか。アルプスの少女ハイジの物語で,フランクフルトのお金持ちの家に住み込みで暮らすことになった主人公が,アルプスの山の村に住むおばあさんのために,白パンを食べないでとっておくという話が出てきます。私は子どものころずっと不思議に思っていたのですが,小麦粉が貴重だった時代があるのだということがわかって,納得しました。ちなみに,今でこそ,日本には蕎麦専門の高級な店がありますが,もともとは米が十分に取れないまずしい信州人が食べていた蕎麦が案外美味しくて,江戸で広まったのだろうと思います。

 実は,エストニアでも韃靼そば tatar の実を茹でてかゆにして食べます。私は,この蕎麦がゆ tatrapuder が好きですが,フィンランド人はほとんど知らないようです。そのためか,エストニアのホテルでも朝食にあまり出さなくなりました。エストニアの蕎麦がゆを試してみたい人は,タリンの国立図書館 Rahvusraamatukogu の1階にある食堂にお昼を食べに行くことをお奨めします。

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お誕生日おめでとう - Palju õnne!

 日本語の「おめでとう」にいちばん近いエストニア語です。「たくさんの (palju) 幸運を (õnne)」とうような意味で, õnne は õnn 「幸運」の目的格 (分格) の形です。「新年おめでとう」「クリスマスおめでとう」のような場合には使わないように思いますが,誕生日 (sünnipäev),結婚式 (pulmad) などの場面で使えます。

 宇宙の推定年齢がこれまでより 2000 万年伸びて,137億5000万年(プラスマイナス1億1000万年)とうことになったと『ナショナ・ジオグラフィック』誌が報じたというのがインターネットで話題になってます。

 Palju õnne, universum! Sa oled 13,75 miljardit aastat vana 宇宙さん,おめでとう。あなたは137億5000万歳

 Postimees 紙の記事はこう始まっています。

 Kui tahad tähistada universumi sünnipäeva, siis tuleb tordile küünlaid juurde panna. 「宇宙のお誕生日のお祝いをしたい人は,ケーキのロウソクを何本か増やしてね」 (tort  タルト, küünal  ロウソク)

 日本語ではこんなページがあるようです。

 宇宙の年齢、2000万年長かった

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翻訳する - tõlkima

 ソビエト時代には翻訳や文学評論で,1990年代以降は社会評論・政治評論で知られたE・ソーサール (Enn Soosaar, 1937/02/13 - 2010/02/10) が亡くなった。 昨年暮れまで,日刊新聞 Postimees に政治評論で登場していたようだが,重い病気のため (raske haiguse tagajärjel) と書かれているだけで病名はわからない。

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英語・エストニア語辞典 - sõnastik

 無料のオンラインの英語・エストニア語辞典の面白いのを見つけました。

 Inglise-eesti sõnastik 英語・エストニア語辞典

 辞書と言うよりは,英語の単語や表現とエストニア語の対応する表現が大量に収録されているデータベースがあって,それを英語のキーワードで検索する方式のようです。ちなみに snake で検索すると,こんなふうになります。

 snake の検索結果

 snake に単独でマッチするエストニア語は madu ということになります。ところで,madu を格変化させると

      単数   複数
 主格  madu   maod      「へびが」
 属格  mao    madude     「へびの」
 分格  madu   madusid     「へびを」
 出格  maost   madudest    「へびについて」
 向格  maole   madudele    「へびへ」

 えっ,浅田真央って,エストニア語だと「へびちゃん」になる? 個人的には安藤美姫のファンなので,いじわるしてみました。

 連想語彙:

 sisalik  とかげ,爬虫類
 uss    ミミズ
 tõuk   幼虫類,毛虫,アオムシ
 koi    (衣服,本などに巣くう)ムシ,ガの幼虫

 「本の虫」 raamatukoi (raamat 本)は,比喩的な意味にもなります。タリンに Raamatukoi という古本屋さんがあります。

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エストニア首相の来日 - peaminister

 エストニアの アンシプ首相 (Andrus Ansip) の来日のことが,外務省の公報ページに載っていました。

 アンシプ・エストニア首相の来日

 経歴を調べてみました。

 1956 タルト生まれ
 1979 タルト大学卒業 (有機化学専攻)
 1998–2004 タルト市長 (Tartu linnapea)
 2004–2005 経済通信相 (majandus- ja kommunikatsiooniminister)
 2005–    首相 (peaminister)

 peaminister の pea は「頭,長」 を意味する名詞です。都市を意味する linn と一緒になると linnapea 「市長」,国を意味する riik と一緒になると riigipea 「国家元首」ですが,エストニアの riigipea はもちろん共和国大統領 (Vabariigi president) です。なお,県に相当する maakond の長は maavanem, その下の町や村にあたる vald の長は vallavanem と呼びます。 vanem は「長老」と訳すとぴったりするかもしれません。

 話が少し脇道に逸れて... 

 ソ連邦併合前の旧エストニア共和国では,1937年まで,国家元首を Riigivanem と呼んでいました。Riigivanem の職にあったもっとも有名な政治家はパッツ (Konstantin Päts, 1874-1956) で,エストニアがソ連に併合されたときの大統領 (エストニア共和国初代大統領! ) として知られています。パッツは,1940年にバシコルトスタンに連行され,以後政治犯としてずっととらわれの身で,最後はロシア・カリーニン州の精神病院で死亡しました (1954)。パッツは,1990年にタリン郊外の墓地 Metsakalmistu に再埋葬されました。この墓地には,エストニアの著名人のお墓がたくさんあります。

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大使 - suursaadik

 エストニアのタリンの日本大使館 (Jaapani Suursaatkond) には,昨年までは代理大使が常駐しているだけで,正式な大使は駐フィンランド大使の兼任でしたが,今年から,タリンにも正式の大使が派遣されることになりました(赴任はこれからのようです)。エストニア語で大使を表す suursaadik は,大きいの意味の形容詞 suur と,動詞 saatma 「おくる」 から作られた「派遣された人」という意味の名詞 saadik からなっています。

 すべてが連動しているのかはわかりませんが,エストニアとの外交関係でここのところいろいろな動きがあるようです。

 ひとつは,来週15日~17日に予定されているエストニアのアンシプ首相 (Andrus Ansip) の訪日です。エストニアの経済界の代表団が同行するそうです。参考までに,同首相は,日曜日(14日)に札幌で開かれる国際スキーマラソンに(私費で!)参加してから東京に飛ぶようです。

 ミュンヘンでこの週末 (5日~7日) に開かれた安全保障会議に出席したエストニアのパエト外相(Urmas Paet)が,武正公一外務副大臣と会談して,日本が国連の安保理事会の常任理事国になるのをエストニアが支持し,エストニアが国連の人権委員会の委員に立候補するときは日本が支持するというような話題を含んだ会談をしたとエストニアの新聞は報じてます。[記事ページ] ミュンヘンの会議には各国から外務大臣が出席する習わしのようですが,合衆国は国防長官や国務長官 (Riigisekretär) などのトップが出席せず,日本もそれに合わせたのか,岡田外務大臣は出かけなかったようですね。ただし,エストニアの新聞は武正副大臣のことを(間違えて?) riigisekretär と呼んでいます。

 首相に当たるエストニア語は peaminister (大臣の長)です。外務大臣に当たるエストニア語は välisminister (外の大臣) で内務大臣 siseminister 「内の大臣」と対になります。「~省」というときの省にあたるのはエストニア語で ministeerium, その長,すなわち大臣が minister です。外来語なので, miNISter, minisTEErium のように,強勢が第1音節以外にきます。おっと,外来語でも SEKretär のように強勢が第1音節にある語もあるので注意。

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スパイ - luure

 いわゆるスパイ活動を指す。動詞 luurama 「諜報活動をする」から作られた名詞。人を指すときは luuraja 「諜報活動をする人」を使う。エストニア語の学習者が使う言葉ではないと思うが,1920年代の初め頃にソ連邦から送り込まれたり,ソ連邦の指示で諜報活動をしたエストニア人たちについての記事があったので話題にした。[記事ページ]。

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喫煙禁止 - suitsuvaba

 文字通りには「煙のない」 (suits 煙+vaba 自由な,縛られない)という意味で,英語の smoke-free,スウェーデン語の rökfri などと同じ言い方。参考までに,フィンランド語では,英語のもう一つの言い方 smokeless にあたる savuton を使う。なお,掲示としての「禁煙」は Suitsetamine keelatud (喫煙禁止) のようにいう。「喫煙」の意味の suitsetamine は,動詞 suitsetama 「タバコを吸う」の名詞形である。

 形容詞 vaba は,共和国と訳される vabariik (riik 国家)にも出てくる。エストニアの正式名称は Eesti Vabariik 「エストニア共和国」である。「自由」という意味の名詞 vabadus はこの形容詞の名詞形である。

 フィンランドで国全体を禁煙にしようとする動きがあることを報じたエストニアの新聞の見出しに suitsuvaba riik 「煙のない国」 という表現が使われた。[記事ページ] 意図したのか偶然かわからないけれども,エストニア語だから可能な言葉遊びになった。別の記事では,suitsuvaba と同じ意味で suitsuprii という言い方がされている。この prii は英語の free にあたる語で,日本語と同じく f 音のないエストニア語で f が p に置き換わったものである。

 私はタバコのにおいがしただけで不愉快になるほどタバコが嫌いである。歩道で向こうからタバコを吸いながら歩いている人を見たときには,10メートル以上前から息を止め,すれ違って10メートル以上離れてから再び息を吸うくらいで,まともに煙を吸うとすぐにのどがガラガラする。ただし,私は,タバコを吸わない人に配慮した煙の洩れない空間で喫煙することさえ守ってくれれば,吸いたいだけ吸ってもらって構わないと思っているから,喫煙者に,健康に悪いから禁煙したら,などと勧めるようなお節介はしない。早死にしようと決めたのは本人の選択であり,それに口出しするのは,それこそ「愛煙家の権利」の侵害と言われかねないからだ。

 そのかわり,職場で酒を飲んでいいという「権利」がないのと同じく,職場や公共の場所でタバコを吸っていいという「愛煙家の権利」などあるわけがないことは断固主張する。10時間タバコが吸えないヨーロッパ航路の飛行機に乗って平気なのに,8時間タバコが吸えない職場で文句を言うような偽善者は先進国日本にはいないはずである。

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エストニアの木工芸 - kadakas

 エストニアに行くと,土産物店でこの写真のような木製の工芸品を売っている (写真をクリックすると他の製品が見られる)。

 これは,サーレマーやほかの島で典型的に見られる灌木カタカス kadakas (辞書によると,英語で juniper,日本語ではジャクシンと呼ぶらしい) の幹で作ったものである。白っぽい木肌で,固く,独特のにおいがする。

Kadakas はきれいな青い実をつける

 サーレマーでは,このカタカス加工の技術を生かして,中国製のUSBメモリー (mälupulk - 字義通り訳せば「メモリー・スティック」)をこの木で作った保護用のケース (ümbris) に収めて,製品として売り出すという。[記事ページ] 材料としては,カタカスのほかに,同じく島でよく見られるマーリヤカスク (maarjakask) も使われる。

Harilik kadakas. カタカス


Maarjakask. マーリヤカスク

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記念碑 - sammas

 著名人や出来事などを記念するために建てられた彫刻のこと。ausammas 像 (au 名誉), mälestussammas 記念碑 (mälestus 記念), hauasammas 墓碑 (haud 墓) などの複合語の形で使われることが多い。

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受験 - eksamid

 エストニアの受験シーズンは4月。日本の大学入試に相当する国家試験 riigieksamid の今年 (2010) の受験予定者は21,899人で,内訳は,現役高校生 18,376人,「浪人」 1421人,専門学校の在学生 2102人。 人口が日本の100分の1程度の国なので,高校卒業見込みの生徒の総数を人口比で単純に日本に移すと,170万人ということになる。文科省のサイトを見ると,2007年度の日本の高卒者の数は約115万人だった。

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引退する - erru minema

 エストニアの新聞が,共同通信を引用して,朝青龍の言葉を伝えました。[記事ページ]

 Tänan teid kõige eest, ma lähen erru.
 皆さんありがとうございました。私は引退します。

 把瑠都は,自分の大関昇進の話についてこう語ったそうです。[記事ページ]

 Asashoryu loobumine ei suurenda kuidagi tema lootusi tõusta enne järgmist turniiri ozeki'ks.
 朝青龍の引退は,来場所で自分が大関に昇進するという期待を大きくするものではない。

 熟語動詞 erru minema は「職務を離れる」,動詞 loobuma は「止める」「見切りを付ける」という意味です。どちらも「辞任する」という意味でも使えます。

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エストニアの歴史 - ajalugu

 エストニアの歴史 (Eesti ajalugu) をテーマとしたポータルサイトができました。運営しているのは非営利団体 Eesti Elava Ajaloo Keskus (生きているエストニアの歴史センター)。[記事ページ]

 Histrodamus

 歴史の出来事をテーマ別に扱っています。エストニア語,英語,ロシア語のページがありますが,内容が完全に平行的なのかどうかは未確認。アクセスすると,トップページに毎回違う項目が4つ表示されます。

 項目一覧のページのほか,キーワード検索もできます。まだ項目は少ないですが,これから充実していくでしょう。

 エストニアの歴史に関しては,首相を務めたことのある歴史学者 Mart Laar の一般向けの本が出ます。

 101 Eesti ajaloo sündmust エストニアの歴史上のできごと 101
 Mart Laar
 Kirjastus Varrak,2010
 ISBN-13 9789985320105

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勲章 - teenetemärk

 エストニアの叙勲は,毎年,独立記念日の前日(2月23日)に大統領官邸で行われますが,叙勲の予定者の発表は2月の始めに行われます。

 今年の叙勲者は97人。言語学者では,『エストニア語大辞典』の編集主幹で,改訂版の編集主幹のM・ランケメッツ (Margit Langemets) さんが Valgetähe teenetemärk(Ordre de l'Etoile Blanche, 白星勲章) の第三級の勲章を受けます。

 記事: Keeleteadlane: teenetemärgi saamine on suur üllatus

 エストニアの勲章法 (Teenetemärkide seadus) を見ると,これは,軍人ではない人のエストニア国家への貢献に対して与えられる勲章のようです。[エストニアの勲章の図柄]

 エストニア語大辞典はこんな辞書です。


  • 見出し語数約15万語,約5000ページ,エストニア語の辞書としては最大

  • 辞書編纂のための作業は1960年代から開始,初版第1分冊は1988年,最終の第26分冊は2007年

  • 今回の改訂で約4000項目を追加,語義の書き換え・追加多数

  • 豊富な用例は文学作品が中心

 ランケメッツさんには,最近,ある単語の用法のことで質問をして,丁寧に答えていただきました。

 関連記事: Eesti keele tähtteos jõudis veebi (2010/01/06) [オンライン版について]
 関連記事: Eesti keele seletav sõnaraamat küpses pool sajandit (2009/09/24) [改訂版について]

【補足】 リンクを整理・変更し,辞書についての解説を追加。 (2010/10/28)

Eesti Keele Instituudi sõnaraamatute osakonna juhataja Margit Langemets
エストニア語研究所辞書部門主任M・ランケメッツさん

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エストニア語の初級の次の教材

 エストニア語の初級入門教材をしばらく前に話題にしました。さて,その次の段階の学習のために買うとしたら,次の本はどうでしょうか。CDが付いていて,エストニア語能力検定のA2のレベル用とされているので,先日紹介した入門書の次に使うとぴったりのはずです。何よりもいいのは,巻末の語彙集の説明が英語でも書かれていることです。

 Naljaga pooleks. Eesti keele õppekomplekt algtasemele.
 Mare Kitsnik, Leelo Kingisepp
 Kirjastus Iduleht,2006
 ISBN-13 9789949134571; ISBN-10 9949134579

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元に戻す - taastama

 Postimees 紙が2月2日にインターネットで行ったアンケート調査で,48.9%のエストニア人が,ロシアとの国境はタルト和平条約で決めた位置に戻されるべきだと答えたという。回答者は同日22:45現在で1300人を超えた。[記事ページ]

 タルト和平条約で決まったロシアとの国境線では,現在ロシアのレニングラード州に含まれるナルバ川の東岸のイワンゴロドと現在ロシアのプスコフ州に含まれるペチョルイ地区の一部も旧エストニア共和国に属していた。現在のエストニア共和国の領土は,1950年代に決められたソビエト連邦の構成共和国としてのエストニアの領域を受け継いだものになっている。

 ソ連邦の継承国家としてのロシアは,エストニアがソ連邦に「加盟」したことによりタルト条約は効力を失ったとするのに対し,エストニアは,エストニアのソ連邦併合は違法なものであり,タルト和平条約は今でも効力をもつと主張している。ソ連邦崩壊から20年近く経つが,両国の間ではまだ国境に関する協定は結ばれていない。日本の北方領土をめぐるロシアとの交渉と基本的なところで似ているような気がする。

 両国国会で批准する寸前のところまで進んだ2005年の交渉は,エストニア側が協定の前文でタルト和平条約に触れることを強く希望したため不成立に終わった。アンケートでは,このような前文を協定に付けることに何らかの理由で賛成する人が22.4%,反対,ないし断念すべきだとする人が28.7%だった。

 動詞 taastama は,「元あった状態に戻す」という意味で,たとえば建物を復元するときや,骨組みから動物の姿を復元するときなどに使う。また,効力を失ったものを再び有効にするという意味でも使え,国境を昔の位置に戻したり,占領下にあった国の独立の回復も taastama である。

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酔っぱらう - purjus

 無謀な飲み方をする男どもが多い社会なので,エストニア語には「酔っぱらう」を意味する表現はたくさんあり,purjus はその1つに過ぎません。この語は,Mees on purjus. 「男は酔っている」のようにも,purjus mees 「酔っぱらった男」のようにも使え,形がかわらないので便利です。

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タルト和平条約90周年記念切手 - postmark

 今日(2010年2月2日) は,タルト和平条約締結から90周年にあたります。エストニアではそれを記念して記念切手が発行されます。発行枚数50000枚,発行記念の消印は,タリンの中央郵便局とタルトの郵便博物館 (Postimuuseum) で押してくれるそうです。

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ホバークラフト - hõljuk

 水中翼船(tiibur, 英語 hydrofoil) にしか乗ったことがなくて,イメージが似ていたので,たぶん水中翼船 の別名だろうくらいにしか思っていなかったが,調べてみたらまったくの勘違い。走る原理からして全然違う。ホバークラフト (hovercraft) は商標で,エアクッション艇 (air-cushion vehicle) といって,空気を下に向けて押し出して車体を浮き上がらせて進むので,日本の法律では航空機の一種らしい。確かに,水中翼船が雪上や氷上を走るとういう話は聞いたことがない気がする。

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民族同化 - ümberrahvastamine

 エストニアに現在のように大勢のロシア人が住むようになったのは,第2次大戦後の経済政策や経済事情に伴う人口移動の結果であって,スターリン主義的な民族同化政策によって意図的にもたらされたものではない,とする見解が,バルト研究所 (Balti Uuringute Instituut) の2人のエストニア人研究員によって発表されたという報道 (1月31日) を受けて,これが,エストニアの歴史の定説となっている考え方を真っ向から否定するものであるところから,250通をこえる読者のコメントが新聞のホームページに寄せられるなど,たいへんな反響を呼んでいる。[記事ページ]

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ロシア大国

 「ロシア帝国」をもじって「ロシア大国」とでも訳したいタイトルのサイトがあります。

 Россия Великая - Russia The Great

 トップページに「国家」(Государство - State) というセクションがあり,そこに「ロシアの諸民族」(Народы России - Nations of Russia) というリンクがあるのでクリックしてみましょう。ここまでは,ロシア語ページと英語ページの内容は並行しているようです。

 英語のリンクからこのページを出すと「ロシア人の恋人はいかが」という広告がいきなり目にはいりますが,クリックするのは次回にして,ページ左の一覧に「エストニア人」(The Estonians) とあるのを選んでクリックします。すると,このページにはこんなことが書かれています。私はこんなこと書いて大丈夫かな,と思って,対応するロシア語ページを探したのですが,「エストニア人」の項目は見当たりません。さすがにロシア語では,そこまで書けなかったのかな,と勘ぐってみたのですが,真相はどうなのでしょう。

In accordance with the 1939 Molotov-Ribbentrop pact, the Soviet Union took control over Estonia in 1940. The year after, however, the Germans broke the pact, and invaded the Soviet Union. They held Estonia until 1944, when the Soviet Union "liberated" Estonia, and reincluded the country in the Soviet fold. Hundreds of thousands of Estonians had died during the fighting. In addition, many emigrated and some 90.000 were deported after the Soviets retook control. Until around 1950, Estonian guerillas continued fighting against the Soviets and collectivisation, and for an independent Estonia.

 逆に,英語ページにはなくてロシア語ページだけにある項目もあります。ちなみに,ソビエト時代のエストニアで出たエストニア語の百科事典には,モスクワで出たロシア語の百科事典には書かれていないようなことが書かれていたこともあり,検閲がすべての民族語でいつも同じ基準が適用されたというわけではなかったのだろうと思います。

 同じテーマで書いても,何語で書くかによって,内容に違いが出てくるという現象(?)は,日本でもあるような気がします。日本で出ている英語の新聞は,日本語ができない外国人と,英語を勉強したい日本人向けのように思われていますが,日本の英語の新聞には,話題によっては,日本語の新聞とまったく違う視点から書かれた記事が載ることがあって,なるほどとそうだったのかと目から鱗の体験をすることがあります。

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危険を承知で - omal riisikol

 各地の氷上道路 jäätee (氷の道) ですが,通行解禁になったあと,天候不順で,通行禁止になる日がでているようです。日曜日(31日) に唯一通行禁止にならなかった,ハープサル (Haapsalu) から北の Noarootsi に向かう全長2.9km の氷上道路の入り口に,「注意して通行」という意味で omal riisikol という標識が立っている写真がネットにも載ってます。

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連絡船 - praam

 ヒーウマーからエストニア本土へ向かうフェリーが氷に閉ざされて何時間も動けなくなったニュースを話題にしたばかりですが,天候はあいかわらず思わしくないようで,日曜日(31日)には,今度はヒーウマーからサーレマーに向かうフェリーが大事をとって引き返したそうです。

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