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受験 - eksamid

 エストニアの受験シーズンは4月。日本の大学入試に相当する国家試験 riigieksamid の今年 (2010) の受験予定者は21,899人で,内訳は,現役高校生 18,376人,「浪人」 1421人,専門学校の在学生 2102人。 人口が日本の100分の1程度の国なので,高校卒業見込みの生徒の総数を人口比で単純に日本に移すと,170万人ということになる。文科省のサイトを見ると,2007年度の日本の高卒者の数は約115万人だった。

 記事: Riigieksameid teeb tänavu ligi 22 000 inimest (Postimees 2010/02/05)

 エストニアの国家試験の試験科目のなかで必須なのがエストニア語,つまり国語 riigikeel である。基本的に作文(小論文)の試験で,エストニア語を母語とするかどうかで,別々の試験になる。今年,エストニア人を対象とするエストニア語の試験の受験者は10,347人,ロシア語を母語とする生徒たち向けのエストニア語の試験の受験者は3463人というから,合わて13,810人だった。

 エストニアの国家試験は,一見,日本の高等学校卒業程度認定試験 (高認;旧:大学入学資格検定) と似ているが,日本の試験は,何らかの理由で高等学校として認定されている学校を卒業できなかった(まだしていない)少数派の希望者が大学進学などのために受ける試験なのに対し,エストニアの国家試験は,高等学校を修了した(程度の能力をもつ)という資格をとりたい人がすべて受ける試験である点で根本的に違う。ちなみに,2008年度の高認受験者は33000人にすぎない。また,大学進学の前提であるという点では日本の大学入試センター試験に似ているように見えるが,センター試験を受けなければ高校卒業の資格がとれないわけではないから,これもエストニアの国家試験とずいぶん違う。2010年1月の日本のセンター試験の受験者は52万人だというから,高卒者の総数の半分程度しか受けていない。さらに,大学進学のための試験という点だけに注目するなら,日本の多くの大学はセンター試験に加えて独自の入学試験を行うので,エストニアの国家試験は,日本の大学入試とも大きく違う。いずれにしても,日本の大学入試のシステムは複雑すぎてよくわからない。

 エストニアの今年の国家試験で,エストニア語以外の科目の受験生を多い順番にあげると,英語 (8619),地理 (7006),社会 (6183 ),数学 (4812),生物 (3424),歴史 (1896),化学 (2156),物理 (776),ドイツ語 (389),フランス語 (37)。エストニア語の場合と同じように行われる,ロシア人向けののロシア語試験は,この春から選択科目になり,今年の受験生は 1741 人。一方,エストニア人向けのロシア語の国家試験,すなわち,外国語としてのロシアの試験の受験者は 368 人。

 なお,エストニア語の eksam は受験と言うよりは,試験一般を意味する単語である。

【更新履歴】 本文を修正 (2011/02/12)

昨年の受験風景 (会場はタリン市内の高等学校)
Eesti keele riigieksam möödunud aastal Tallinnas Mustjõe Gümnaasiumis..

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