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切符 - pilet, talong

 現在の日本語で切符というと,バスや電車の乗車券のことだが,その昔は配給切符などというのがあったようだから,切符は今よりもっと広くいろいろな「紙切れ証明書」をさすことばだったらしい。エストニア語の pilet も,交通機関の乗車券 (sõidupilet) のほかに,図書館の利用者カード (lugejapilet) のような「会員証」の類も含めた呼び名である。

 タリンで公共交通機関 (バス,市電,トロリーバス) に乗るときに必要な切符は,sõidutalong と呼ばれる。talong と pilet はどこが違うのかよくわからないのだが,無賃乗車を piletita sõit 「pilet なし乗車」というくらいだから,talong は pilet と呼ばれる「紙切れ証明書」の特別な種類のものと考えていいだろう。

 タリンの sõidutalong はソビエト時代には,ぺらぺらの紙だったが,今では「小型金券」と呼びたくなるような立派な印刷のものになっている。この共通乗車券は,街のキオスクで10枚綴りのものを買うのがもっともふつうの入手法で,割引率が高い。もちろん,キオスクでばら売りもしてくれるし,その都度,運転手からも買うことができる。

 この乗車券は,日本のように車掌が切符を切る (=鋏を使って穴をあける) のではなく,乗客が自分で,車内にある komposter あるいは täksel と呼ばれる「穴空け装置」を使って穴を空けて使う。この行為をソビエト時代には komposteerima 「komposter を使う」という動詞で表していた記憶があるが,最近は augustama 「穴を空ける」と言うほうが多いらしい。

 辞書の用例: Bussi sisenedes tuleb augustada talong. 「バスに乗ったら,切符に穴を空けなければならない」

 しかし,タリンの公共交通機関の利用者の8割が,定期券や各種の電子マネーの類を使う時代となり,この昔懐かしい sõidutalong は段階的に廃止されていくようである。まず,この2月から,穴空け装置を前扉と中扉の2つに減らし,来年からは,切符は運転手からしか買えないシステムに変更,talong そのものを廃止して穴空け装置を撤去することに決まったという。

 記事: Sõidutalongi augustamine läheb Tallinnas keerulisemaks (Postimees 2010/01/24)

 こうして,またひとつソビエト時代の残存物がなくなるわけだが,考えてみると,sõidutalong と切符穴空け装置は,ソビエト体制崩壊後20年間も生き延びていたわけだから,実に面白い。

Sõidutalongi augustamine läheb Tallinnas keerulisemaks

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