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氷に囚われる - jäävangis

 エストニア語では,氷に閉ざされて動けなくなった状態を jäävang 氷の囚人という。船や旅行者などが動けなくなったりすることを表すほかに,川,湖,湾そのものが交通不能の状態になることも言う。日本語では,村落などが雪のため孤立することを「陸の孤島になる」というが,それとやや発想が違うが,似ていないこともない。

 サーレマー (Saaremaa) の北側にあり,エストニアの島としては2番目に大きいヒーウマー (Hiiumaa) で,水曜日から木曜日にかけて,この状態に陥ったらしい。ヒーウマーを出たフェリーがエストニア本土に着くまでに,10時間(午前1時~午前11時)もかかったという。幸い,ヒーウマーとサーレマーの間,サーレマーと本土の間の交通は遮断されなかったので,島全体が「氷の囚人」になることはなかった。

 記事: Kogenud meresõitjate tarkus päästis hiidlased jäävangist (Postimees 2010/01/29)

 バルト海では,西部で竜巻が起こったため,東部のリガ湾(エストニア語では Liivi Laht「リボニア湾」) やフィンランド湾の各地で,海面の水位が多いところで1メートルも下がる現象が報告されている。タリンでは,1842年に海面の水位の測定が始まって以来の最低記録である-96.7㎝を観測したという。吃水 (süvis; 船体の最下端から水面までの垂直距離) は船によって違うため,氷を割りながら進む船の運航への海面の水位の下降の影響は船によってかなり違うらしい。

 ちなみに,サーレマーもヒーウマーも島 (saar) ではあるが,呼ぶときに「島」を付けない。タリンのあるハリユマー (Harjumaa) やナルヴァのあるヴィルマー (Virumaa) などと同格である (maa は英語の land にあたる)。これは,ルソン島,スマトラ島,ボルネオ島などよりずっと小さい北海道・本州・九州・四国を「島」と呼ばない日本語と同じ理屈に違いない。

氷             jää
囚人            vang
氷に囚われる      jäävangi langema
氷から解放する     jäävangist päästma
氷に閉ざされた状態   jäävangistus
ヒーウマー在住(出身)者 hiidlane
本土            manner

【補足】 本文を加筆修正 (2010/12/11)

Hiiumaa と本土,及び Saaremaa との連絡航路 (画像クリックで拡大図)
Hiiumaa jäi ajutiselt püsiühenduseta

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