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エストニアの警察の対応が批判される

 金曜日の深夜,警察に110番し,料金の支払いを拒否されて困っていると,ロシア語で助けを求めたところ,交換手からエストニア語で話すように命じられ,まともに対応してもらえなかったと,翌朝書面で警察に苦情を訴え出たタクシーの運転手がいる。[記事1][記事2]

 支払を拒否した乗客についてはなにも書かれていないが,おそらく,エストニア語でサービスを受ける権利をたてに,わかるようにエストニア語で説明してくれとからんだものと思われる。この乗客は,運転手がもたもたしている間に姿をくらまし,まんまと乗り逃げしてしまったという。

 応対に出た職員のロシア語の運用能力が不十分だったことと,応対のしかたに問題があった可能性があることを警察側は認め,交換手に対する懲戒を視野に置いた内部調査を行っていると発表した。

 交換手は13人のシフトをとっているが,ロシア語の運用能力をもつ職員を配置いているほか,英語で対応できる職員も何人かいる,と警察は弁解する。また,ロシア語の運用能力が不十分な職員には,研修目的で東ヴィル県での勤務を命じることがあるという。

 一方,タクシー運転手にも,初歩的ではあるが一定の水準のエストニア語の運用能力が法律で義務づけれられている。乗り逃げはまず検挙されないだろうから,警察に苦情を訴えたこの運転手は,かえって藪を叩いた結果になって,自分のエストニア語の運用能力の不足を明るみに出してしまい,針のむしろのような週末を過ごしたものと思われる。

 二言語併用の社会で起こるトラブルの例だが,カナダのケベックでも,駐車違反の通知がフランス語で書かれていないといって罰金の支払いを拒否し,裁判にまで持ち込んで争った例があると聞いたことがある。ただケベックの場合は,住民にフランス語でのサービスを受ける権利が保障されているが,エストニアのロシア語系住民には同様の権利の保障がないという違いがあり,この差は大きい。

 それにしても,エストニア語でサービスを受ける権利をたてに乗り逃げをする「確信犯」はたちが悪い。

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