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エストニアの言語法改正案をめぐる論議

 この夏,7月ころからエストニアのマスコミが大きく取り上げているエストニアの言語法の改正案。いちばん論議を呼んでいたのは,インターネットのオンラインページを含めた新聞やテレビの言語使用が標準語の規範に従うことを義務づけ,かつ,それに違反した場合は報道機関に罰金が科せられるという2つの条項(第19条,第38条)である。

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エストニア語の名句

 ロシアを a riddle, wrapped in a mystery, inside an enigma と言ったのは,チャーチルとされていますが,riddle - mystery - enigma という同義語をいわば入れ子にすることによって,謎に満ちた国という意味を効果的に出しています。1939年当時すでに,マトリョーシカが英語圏でよく知られていたかどうかはわかりませんが,もし人形をを連想させる意図があったのだとすると究極の名言です。

 昨日(9/26)掲載の オンライン版 Postimees 紙の記事の中のサーレマー博物館館長 Endel Püüa 氏の次のことばも,エストニア語の文脈ではなかなかの名文句だと思います。

 Ma ei tea kedagi, kes teaks kedagi, kes seda plaani toetab.
 私は,その計画を支持する人を知っているような人はひとりも知らない。

 要するに「その計画を支持しない」 (Ma ei toeta seda plaani.) と言っているわけですが,そのままストレートに言ったのでは,個人的な見解を述べただけだから,十分なインパクトがない。そこで「その計画を支持する人をひとりも知らない」 (Ma ei tea kedagi, kes seda plaani toetab.) という風にすると,支持しない人ばかりだということになり,より強い言明にる。さらに同じような表現を重ねて否定の意味を強めているのが,この博物館長のことばです。

 参考までに Endel Püüa 氏が反対しているのは,タリン郊外にある野外博物館を母体とする「エストニア郷土博物館」を作り,国内に15ある県立博物館をすべてその分館にしようとする計画です。地方の博物館は,経営的な独立性を失う恐れがあるだけでなく,その展示物が中央の管理になってしまう可能性がある,と館長は危惧しています。

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エストニア人の個人主義的傾向が増大

 ヨーロッパの18カ国が対象の今年の調査で,2006年当時と比べて,エストニア人の個人主義的傾向が増大していることがわかった。[記事]

 政府が低所得者層を補助する政策をとることに賛成したのは67%,反対が13%。2006年の調査では,それぞれ75%と9%だった。

 友人や親戚と,あるいは仕事以外で同僚と会う頻度に関する質問では,まったく会わないが14%,月1回~週数回が70%,毎日が16%。2006年の調査では,それぞれ10%,69%,21%だった。

 生活全般の満足度では,エストニアは18カ国のなかで下から4番目。東欧諸国の中では,ポーランド人,スロベニア人,スロバキア人の満足度がエストニア人より高い。教育・医療面での満足度が上昇した一方で,経済面での満足度は下落した。

 国会,政府,政治家に対する信頼度が,3年前に比べ,大幅に下がり。民主主義への信頼もわずかながら下がっている。また,言語の違いによる差別を感じる人が減り,同性愛者に寛容な人が増えている。

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エストニア語で読む日本の歴史

 しばらく前に,エストニア人が書いた「個性的」な日本史の本を紹介しました。翻訳ですが,もうすこし安心して読めそうな日本の歴史の本が出ました。

 William E. Deal: Keskaeg ja uusaeg Jaapanis. Kirjastus Tänapäev, 2009.

 日本に対する関心が急に高まっているというよりは,大学での教科書としての需要を当てにしたものだろうと思います。エストニア語の勉強のために読むなら,どちらかといえば,先の本よりはこのほうが無難な気はしますが,700ページと厚いので,持ち運ぶにはやや不便かも知れません。

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エストニアの児童文学の日本語訳

 来年,エストニアは「読書の年」ということで,われわれも何か日本語に訳してはどうだろう,という話が日本人のエストニア語関係者(約3人!)の間で内輪でおこっています。翻訳を専門にしていない者ばかりなので実現するかどうか,あてにはなりませんが。

 難しい文学作品としては,先年亡くなったヤーン・クロス (Jaan Kross, 1920 – 2007) の小説が2つ訳されている(英語訳とロシア語訳からの重訳) ほか,ヤーン・カプリンスキ (Jaan Kaplinski) の詩の翻訳が出ていますが,もっとひろく知ってもらうためには児童文学がいいのではないか,というようなことをメールで話し合っています。もっとも,どこかの出版社がすぐに興味を持ってくれるということはなさそうなので,万一,翻訳ができあがった場合は,ネットで発表するということになるでしょう。

 参考までに,児童文学としては,ロシア語からの重訳で「モーラばあさんの超能力」(アイノ・ペルビク Aino Pervik; 大日本図書, 1991) があり,今でも入手可能なようです。ただ,残念なことに,ネットで調べたかぎりでは,原書がロシア語訳のタイトルになっているほかに,内容の解説からエストニアの児童文学だという情報がまったく抜け落ちています。なお,挿絵を描いた「ワリテル」(Valiter) という怪しげな名前の画家は,先日話題にしたエトカル・ヴァルテル (Edgar Valter, 1929 – 2006) です。エストニアの国立図書館で,生誕80周年の記念の催しが開催される (9月21日) ほどの著名文化人なので,書誌情報のデータベースはぜひ早めに修正してほしいものです。

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政党を意味するエストニア語 - erakond, partei

 エストニア語大辞典 Eesti keele seletav sõnaraamat (2009) がエストニアから届きました。6巻本の大辞典で,エストニア語詳解辞典 (Eesti kirjakeele seletussõnaraamat, 1988 – 2007) の改訂版で す。

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エストニア人の平均寿命 - keskmine oodatav eluiga

 エストニア人の平均寿命 (keskmine oodatav eluiga) は,女性が79.23年,男性が68.69年,平均で74.06年である。

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ロシア国境に貨物トラックの長い列 - järjekord

 エストニアの東北部のロシア国境の町ナルヴァでは,12日の土曜日,450台を超えるの貨物トラックの長い順番待ちの列が出来て,6昼夜待たないと,ロシアに入国するための税関の手続きが受けられない状態だという 。

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カリーニングラード州に移住しませんか

 タリンのロシア大使館が,カリーニングラード州への移住を希望するロシア系住民を募っているそうである。

 記事: Venemaa meelitab eestimaalasi Kaliningradi kolima (Postimees 2009/09/09)

 これは,2006年,当時のプーチン・ロシア大統領の時代に始まった,ロシア国外に住むロシア人に帰国を促すプログラムの一環。そもそも,この呼びかけに魅力を感じたエストニア在住のロシア人は少なく,この3年間にエストニアからロシアに移住したのは20家族に過ぎない。

 ロシアの各地域の発展に貢献しませんかと,国外のロシア人に帰国移住を勧めるこのプログラムでは,移住先がロシアの内陸部になるのが一般的。このため,ヨーロッパの生活様式に慣れ親しんだエストニア在住のロシア人の気持ちは,これまで動かなかった。しかし,今日,タリンのホテルで開かれたのは,彼らにとってまんざら悪くはないカリーニングラード州への移住についての説明会であり,人も集まった。

 カリーニングラード州では,建築師,運転手,技術者,鍵職人などなど,さまざまな分野の専門家が必要とされているが,平均賃金は,エストニアの通貨に換算すると 3000~4000 クローン程度。(*)

 会場に集まったロシア人たちは,移住を選ぶかどうか,時間を掛けて決めたいという様子だった。

 (*) 最近の新聞記事によると,エストニア人の平均月収は,約12,700 クローン (約11万円)。不況で,すこしずつ下がっているようだ。

Vaade Kaliningradi sadamale.

 カリーニングラード港の眺め

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